鼻骨骨折から復帰した八村塁はマスク着用で12得点
レブロン・ジェームズは大舞台でこそ強烈な輝きを放つ。年末には39歳になるが、フィジカルもメンタルも好調で噛み合った時の彼は、今でもこのリーグで最高のスーパースターだ。インシーズン・トーナメント準決勝のペリカンズ戦で、彼はその能力を遺憾なく発揮した。30得点5リバウンド8アシストという数字は彼にしてみれば特別なものではないが、第3クォーター途中で30点差を付け、もうプレーする必要がなかったために23分しか出場していない。今シーズンでベスト、あるいはそれに準ずるパフォーマンスだったのは間違いない。
第1クォーターは29-30と互角だったが、第2クォーターの頭からレブロンが3本連続で3ポイントシュートを成功させる。八村塁からパスを受けてディフェンスの手前から放った1本目のタッチが良かったからだろう、2本目、3本目と距離を伸ばしつつ積極的に放ってアリーナを沸かせると、続いては外を警戒する相手の裏を突いてドライブを仕掛け、美しいレイアップでフィニッシュ。これでペリカンズはリズムを乱し、レイカーズは勢いに乗った。
第2クォーターを38-24として13点リードで迎えた第3クォーターは43-17と圧倒。レブロンは第3クォーター半ばでプレーを切り上げたが、レブロンと入れ替わる形で入った八村塁を筆頭にベンチメンバーも良いリズムでプレーを続け、最大でリードを44点にまで広げている。
試合後、レブロンは「ディフェンスマインドで試合に臨めたのが良かった。ディフェンスが機能していれば試合は上手くいく」と語った。レイカーズの指揮官ダービン・ハムはレブロンの絶好調ぶりに「私は単純な男だから『とんでもない』しか言葉が見つからないよ」と苦笑している。
鼻骨の骨折から復帰してからマスクを着けてプレーしている八村は、ベンチから21分の出場でフィールドゴール9本中5本成功の12得点を記録。突出したパフォーマンスではないにせよケガの影響はほとんど感じさせず、主力不在の時間帯の得点を受け持つことで勝利に貢献した。
現地9日にはペイサーズとのファイナルが待ち受ける。レブロンは「まだ12月だから、あまり熱中してるわけじゃないのが正直なところだ。このトーナメントは素晴らしいけど、まだ時期が早いからね。ただ、僕たちはどんな試合にも勝ちたいし、試合のたびに成長したい。すべてのクォーター、すべてのポゼッションで良いプレーをしたい。僕たちはそういうチームなんだ」