タイリース・ハリバートン

「これがマグレじゃないことを証明したい」

インシーズン・トーナメントの準決勝、ペイサーズvsバックスは激闘となった。第2クォーターにペイサーズのセカンドユニットが2桁のリードを作り出すも、後半開始からバックスがデイミアン・リラードに牽引され、4分半で17-4のランを見せて逆転に成功する。

その後は一進一退の攻防が続いたが、1ポゼッション差で迎えた第4クォーター残り1分半からタイリース・ハリバートンが試合を決める。ドライブからのダブルクラッチを決め、続く3ポイントシュートはリングに嫌われたものの、ブルース・ブラウンがティップで繋いで再びボールはハリバートンに。ブルック・ロペスとのマッチアップを選択した彼が3ポイントシュートを射抜き、残り48秒で122-114と勝利を決定づけた。

ハリバートンは27得点7リバウンド15アシストを記録。ターンオーバーなしという完璧な出来だった。マイルズ・ターナーとのピック&ロールをバックスの守備陣はよくケアし、ハリバートンを追い詰めるシーンはいくつもあったのだが、彼は時間もスペースもほとんどない状況に追い込まれても正しいプレーを選択し、チームを牽引し続けた。

「開幕してすぐに対戦した時には僕らは序盤に18点のリードを奪ったのに、ヤニス(アデトクンボ)に54得点を奪われた。その経験から、今回もバックスが巻き返してくるのは分かっていた。だから落ち着いて対応できたんだと思う」と、ハリバートンはバックスの猛追にも臆せず戦い抜いた試合を振り返る。

「僕たちは世界に衝撃を与えているよね。誰もウチがここまで来るとは予想していなかったはずだ」と、ハリバートンは会心の笑みとともに語る。

「僕たちは自分たちのバスケが好きだし、全力で取り組んでいる。これがマグレじゃないことを証明したい。僕らはどの試合でもこのパフォーマンスを見せられる。ディフェンスさえ上手くやれれば、僕たちのオフェンスを止めるのは本当に難しいはずだから」

キャリア4年目のハリバートンは、常にその才能を示してきたが、所属チームが勝てないことで評価を得られずここまできた。シーズンのこの時期にこれだけ大きな注目を浴びるのはインシーズン・トーナメントの恩恵と言えるだろう。それはハリバートンだけではなく、ペイサーズも同じだ。指揮官リック・カーライルはこう語った。「我々は破壊者だ。多くの人がペイサーズを応援していないかもしれないが、それは関係ない。ペイサーズがどんなチームで、どんなプレーをするのか、みんなに知ってもらうチャンスだ」