デイミアン・リラード

インシーズン・トーナメント準決勝へ「力を示す機会」

現地12月5日、バックスはニックスを相手に146-122と快勝して、インシーズン・トーナメントの準決勝に進出した。フィールドゴール成功率60.4%、3ポイントシュート成功率60.5%と、バックスはシュートタッチが絶好調。ヤニス・アデトクンボは35得点、デイミアン・リラードが28得点と両エースが結果を出しただけでなく、チーム一丸の強さが光った。

前半はジュリアス・ランドルを筆頭にニックスも粘りを見せて接戦となったが、バックスは後半開始からの5分間で18-6のランで一気に優位を作り出した。バックスの指揮官エイドリアン・グリフィンは「あの5分間が重要だった」と語る。「ニックスは良いバスケをしていたが、我々はハーフタイムにファウルをせずに守ること、トランジションで足を動かすこと、3ポイントラインを守ること、ブルックをブルックらしくプレーさせることを話し合い、実際にそうした」

そのブルック・ロペスは得点こそ9と伸びなかったが、この5分間にRJ・バレットとミッチェル・ロビンソンのシュートをブロックし、ディフェンスリバウンド奪取からクリス・ミドルトンの3ポイントシュートに繋ぎ、リラードのアシストを受けて3ポイントシュートを沈める印象的な活躍を見せた。試合後、ロペスはこう語る。「初めての大会でベスト4に残るのは素晴らしいことだ。バックスをインシーズン・トーナメントの初代王者にできたら最高だね」

リラードはフィールドゴール13本中8本成功、うち3ポイントシュートは7本中5本を決め、7アシストも記録。重要な試合で146得点を奪ったバックスの攻撃力をポイントガードとして演出した彼は、「ただボールを動かすことを意識して、決めるべきシュートを作り出した」と振り返る。

「ニックスがヘビーヘルプのチームであることは分かっていて、ボールに群がるように激しくディフェンスするけど、適切な判断でエクストラパスを出せれば質の高いシュートチャンスを作れる。今日みたいにシュートタッチが良い日もあるけど、いつも質の高いシュートが打てていれば、いつも結果を出せる」

バックスはリラード獲得で新たなチームとなったが、開幕から試合を重ねるごとにお互いを学び、チームとして機能するようになっている。この試合での146得点はその成果と言えるだろう。リラードも「オフェンス面で言えば、今シーズンで最も良い出来だったと思う」と認めるが、「でも、多くのチャンスを無駄にしている」と続けた。

「フリースローを落としたし、ペイント内でのシュートも外したからね。165点を取れていたかもしれない。毎試合でそうなるとは思わないけど、僕らにはそういう爆発力がある」

中1日を挟んで、次はペイサーズとの準決勝。タイトルを獲得するために移籍を選んだリラードは静かに燃えている。「正直なところ、このトーナメントがプレーオフに影響を与えるとは思わない。でも、何かを勝ち取るチャンスがあり、最終的に1チームしか勝ち取れないという状況は、自分たちの力を示す機会だ。NBAファイナルでなくても、僕たちにはそのチャンスがある。最後まで勝ち残ること、それはどんなチームにとっても自信に繋がる」