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レブロンは「いろいろ変える必要があるだろうね」とコメント

レイカーズはレギュラーシーズンの4分の1を終えて12勝9敗、西カンファレンス7位とパッとしない。レブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスの両エースは21試合中20試合出場とフル回転しているが、彼らを支えるべきサポートキャストはケガと不調だらけ。昨シーズンのレイカーズはトレードデッドラインに戦力の大幅な入れ替えに踏み切り、散々だった前半戦からのV字回復を見せた。そのチームにポテンシャルを感じたからこそ彼らの残留を軸に編成を行ったのだが、今のところ成果は出ていない。

次世代のレイカーズを支えると期待され、大型契約を得たオースティン・リーブスは調子を崩し、先発ポイントガードのディアンジェロ・ラッセルと噛み合わないためにシックスマンに回った。昨シーズン後半の躍進を支えた八村塁とジャレッド・バンダービルトはケガ続き。新加入のゲイブ・ビンセントもケガでほとんどプレーできておらず、ローテーションを固定できない。

指揮官のダービン・ハムは「何であれシーズンのこの時期に決断を下すのは早すぎる」と、レブロンも「個々の評価はともかく、チームとしてはまだ戦えていないんだから判断はできない。同じメンバーでほとんど戦えないのに勝率が5割を超えているのは意味のあること」と語る。それでもサンダーに110-133の大敗を喫した時、レブロンは不機嫌そうに「いろいろ変える必要があるだろうね」とコメントしている。

レイカーズが特に苦戦しているのはオフェンスであり、3ポイントシュートである。ここまで3ポイントシュートのアテンプトと成功数、成功率すべてでリーグの下位集団に沈む。ファイブアウトと言えば聞こえはいいが、結局のところレイカーズは『レブロン次第』のチームから脱却できていない。

これほど影響力の高いプレーヤーがいる以上、依存しないのが無理というもの。それでもレブロン一人で優勝を勝ち取れるわけではない。彼が最後の一押しをすればよい状況をチームがお膳立てできればいいのだが、成長性に陰りの見える今のレイカーズがその域に達すると予想するのは楽観的すぎる。

NBAのトレンドは今も3ポイントシュートであり、それを生かすためのアップテンポなオフェンスだ。ファストブレイクでレイアップに持ち込み、重要な場面でレブロンのアイソレーションで高確率で得点を奪ったとしても、3ポイントシュートの火力には対抗できない。3ポイントシュートを最低でもリーグ平均まで向上させることができれば、勝負どころでのレブロンとデイビスの強みはより生きてくる。

3ポイントシュートがそれなりに上手い選手はいるが、スペシャリストはいない。大なり小なり、レイカーズのこの弱点にテコ入れが行われるのはほぼ間違いない。問題はその『大なり小なり』がどの規模になるのか。レブロンの契約は来シーズンまでで、プレーヤーオプションを破棄すれば今シーズン限りでフリーエージェントとなることも一つのポイントとなる。

ブルズのザック・ラビーンとアレックス・カルーソが噂に出ているが、それ以上に有力な候補となる選手もいる。ペイサーズのバディ・ヒールドはこれまで何度もレイカーズ行きの噂が浮上しては消えている。体格と運動能力からディフェンスのできるタイプではないが、リーグ最強クラスのシューターでレイカーズのニーズには合う。30歳になったが今シーズンの3ポイントシュート成功率は39.3%。ペイサーズ再建のタイムラインに合わない彼は契約最終年を迎えている。

マルコム・ブログドンはセルティックスからトレイルブレイザーズにトレードされ、今のところは再建チームを引っ張るリーダーを演じてはいるが、彼もまた再建のタイムラインに合わない。来年2月の時点でトレード資産として活用するべきだとブレイザーズが判断すれば、レイカーズは良い交渉相手となる。ヒールドほどシューター色は強くないが、ディフェンスもできリーダーシップも発揮できるオールラウンダーでありながら3ポイントシュート成功率はキャリア平均で38.8%を誇る。

レイカーズにまだ慌てる必要はない。ただ、表面上はどうあれ腹の底では現チームのポテンシャルを冷静に推し量り、それを上回るチーム改革のチャンスを狙うだろう。