昨年ブレイクを果たし、ウインターカップでも上位進出が期待される藤枝明誠高校は、スコアラー赤間賢人と司令塔斎藤佑真を中心に、高校バスケの集大成として初の日本一に挑む。夏のインターハイ準々決勝の東山戦で40得点と大爆発した赤間は「全試合30得点以上」という高いハードルを自らに課す。泥臭いディフェンスから走るバスケをチームの先頭に立って体現する斎藤は、秋のU18トップリーグでオールディフェンシブBEST5賞に輝いた。インタビューでも息ピッタリの2人は「打倒・開志国際」と口を揃えた。

「賢人はいてほしいところにいてくれる」

——まずは自己紹介をお願いします。

斎藤 新潟県出身、3年生の斎藤佑真です。背番号は33番で、ポジションはポイントガードです。得意なプレーはドライブです。藤枝明誠に入った理由は勉強と部活を両立できるような環境が整っていたからです。

赤間 福岡県出身、3年生の赤間賢人です。背番号は12番で、ポジションはフォワードです。得意なプレーはアウトサイドのシュートや点を取ることです。実績は去年インターハイに出たことです。

——お互いの良いところ、直してほしいところがあれば教えてください。

赤間 佑真の良いところは、ガードをやっているってこともあって試合中ずっと落ち着いているところです。一人ひとりの長所も理解して、それを生かすプレーができているのが良いところです。直してほしいところは、ピックを使った後の3ポイントシュートをよくエアボールしちゃうので、もっと頑張ってほしいです(笑)。

斎藤 賢人は自分がパスを出したいと思ったところにいてくれます。ボールを預けたら絶対良いプレーをして点を取ってくれるのですごい。逆に、シュートを連続で外したぐらいですぐ怒って拗ねるので、少し心が幼いです(笑)。

赤間 できるだけ顔に出さないようにします(笑)。

——お互いはオフコートではどんなキャラクターですか?

赤間 佑真はみんなの前で喋るタイプじゃないんです。基本的にスカしています。

斎藤 賢人も本当は結構叫んだりしたいはずなんですけど、普段は押し殺してスカしています。寮ではたまに一人ではしゃいで叫んでいる時もあります。動画とか見て一人で笑っています。

——赤間選手、反論してください。

赤間 いや、その通りですね(笑)。

——噂によると2人とも女の子にモテモテと聞きました。

斎藤 なんやかんや賢人のほうがスカしているんで。興味ない感じを出していますけど、心はニッコニコです。

——今シーズンのここまでの振り返りをお願いします。

赤間 去年から試合にからんでいる選手が少なく、経験が少ない状態で始まりました。オフェンスでもディフェンスでも合わないことが多かったです。だんだん修正できてはいるんですけどコミュニケーションが取れていないので、改善しないといけません。

——精神的に辛かった時期はありましたか。

斎藤 やっぱり、インターハイで負けた時が一番みんな落ち込んでいました。でもその後は、トップリーグやウインターカップに向けて気持ちを切り替えられました。

「金本監督は一人一人を細かく見てくれる」

——金本鷹監督は一見怖そうに見えますが、実は心優しいお兄さん的な面もあるのでしょうか。

赤間 心が優しいかどうかわかんないですけど、一人ひとりの普段の行動など細かいところまで見てくれます。

——監督に直してほしい部分はありますか。

赤間 細かいところがとても厳しくて。自分たちからするとちょっとしたことなんですけど、 そこに対して結構言われたりするところですね。

——インターハイを終えて、チームを立て直していく途中にはボヌ・ロードプリンス・チノンソ選手のケガなどもありました。

斎藤 今までディフェンスのリムプロテクトやリバウンドの部分を全部プリンスに任せていたので、トップリーグ序盤はそこで相手にやられました。ただ試合を重ねるにつれて、周りの選手のインサイドを助ける動きが改善されて、高い強度でプレーできるようになりました。トップリーグ最終戦の中部大第一戦では、自分たちのやりたいバスケットが40分間できたかなって思います。

——斎藤選手はトップリーグでオールディフェンシブBEST5賞を取りました。

斎藤 試合を通してスティールが多くできたんですけど、チーム全体でディフェンスの強度を上げようとして、実際にチーム、個人としてそれが達成できたから受賞に繋がったと思うのでうれしいです。

——赤間選手は斎藤選手の受賞をどのように感じましたか?

赤間 佑真のマッチアップの相手はいつもガードの選手なんですけど、40分間ハードにプレッシャーをかけていたことが結果に繋がったのでよかったです。

——トップリーグの試合を通じて成長できたこと、気づかされたことは。

赤間 プリンスに頼っていた選手が、ディフェンスの強度やボックスアウトの部分で良くなったので、その時期にチームとして成長できました。

「昨年敗れた開志国際には負けたくない」

——ウインターカップへの思いを教えてください。

赤間 去年も日本一を目標にしていたんですけど、準決勝で負けてしまいましたし、今年もインターハイでベスト8。絶対日本一を取れるように頑張ります。

——絶対に負けたくないチーム、個人的にライバル視している選手はいますか。

斎藤 順当に行けば準々決勝で開志国際と当たると思うので、新潟県出身として負けたくないです。ライバル視というか、開志国際のガード陣・澤田竜馬選手と清水脩真選手には負けたくない。

赤間 僕も開志国際ですね。去年負けてしまったのでリベンジしたい。個人としてのライバルは全員です。

——観戦する人たちにはチームのどういった部分を見てほしいですか。

赤間 プレー面では、40分間しっかり全力でやりきる。プレー以外でも「藤枝明誠高校に関わる方々に希望と感動を与える」をスローガンにあいさつなどもしっかりしているので、そういうところを見てほしいです。

——去年のウインターカップでは3年生が身をもって希望や感動を与えてくれた。

斎藤 はい。去年の3年生がすごく良いものを見せてくれたので、自分も後輩や応援してくれる人に感動を与えられるようなプレーを見せたいです。

赤間 去年の3年生がチームを引っ張ってくれて、ウインターカップでも3年生が戦っている姿を見てきたので、今年は自分が応援してくれる人や後輩に伝えられるようなプレーを見せたいです。

——最後に、全国のみなさんにメッセージをお願いします。

斎藤 藤枝明誠のスタイルは、40分間ハードなディフェンスをして、そこから走るスタイルなので、ディフェンスを頑張っているところに注目してもらえたらうれしいです。ウインターカップには「スティール王」という表彰はないですけど、トップリーグに続いて「スティール2冠」を取れるように頑張ります!

赤間 交代で出たメンバーも、勝つために全力で戦っているっていうところを注目してほしいです。 個人的な目標は、全試合30点取って日本一になることです。