ブレイク・グリフィン

写真=Getty Images

「自分だって忠誠心云々の話は理解している、でも……」

ペリカンズとの延長契約を結ぶ意思がないとして、トレードを希望したアンソニー・デイビス。これからトレードデッドラインの2月7日まで、ペリカンズのGMは他チームからの問い合わせに対応し、交換条件を精査する日々に追われる。

デイビスは少なくとも今シーズン終了まではペリカンズでプレーするという予測が大半を占めた。しかし、今シーズンも平均29.3得点、13.3リバウンド、4.4アシスト、2.6ブロック、1.7スティールと圧倒的なスタッツを残しても、ペリカンズは西カンファレンス13位に低迷。この状況では、勝てるチームへの移籍を望む心情も理解できる。

1年前、フランチャイズプレーヤーという立ち位置ながら、クリッパーズからピストンズに電撃トレードされたブレイク・グリフィンは、デイビスの決断を支持する一人だ。「選手は自分にとって最善と思うことをすべき。反響を気にする必要はない。どうしたって起こることだし、コントロールできない」と語る。

「チームは思ったことをしても叩かれない。それが適切なやり方でなかった場合以外は」。これは、昨年のオフに生え抜きエースだったデマー・デローザンをスパーズに放出したラプターズのことを指している。グリフィンは続ける。

「チームが悪く言われたのはトロントのケースくらいじゃないかな。でも、選手が今より良い環境を求めたい、勝ちたい、もしくは家族の近くにいたいと考えるのであれば……とにかくどういう理由であれネガティブに受け止められてしまう。選手の立場としては、反響なんか考えていられない。それをみんなが理解し始めているよ。昔のことはいくらでも言えるけど、それは今の話ではないから。NBAは、以前と同じではないからね。契約内容だって昔とは異なる。チームの組織だって昔とは違う。だったら、選手が昔と同じことを続けるわけがないじゃないか。それは古い見方だよ」

グリフィンは、一つのチームに留まって優勝を狙うことを古い慣習と言っているわけではない。彼だって、2017年の夏にクリッパーズと5年1億7500万ドル(約196億円)の超大型契約を結んだ時には骨を埋める覚悟があった。それでもクラブは再建の時と判断し、グリフィンはあっさりとトレードの駒にされた。

「自分だって、忠誠心云々の話は理解している」とグリフィンは言う。「でも、それと同時に、自分や家族にとってベストな判断を下すべき。往々にして、これらの事柄は正しい関係位置に収まらない」

デッドラインまでにトレードが成立しなくとも、デイビスに対する風当たりは厳しくなるだろう。だがグリフィンのように、デイビスの希望を尊重し、支持する選手は少なくない。