ヤニス・アデトクンボ

「ディフェンスでも試合に影響を与える選手でありたい」

バックスはネッツに大苦戦を強いられながらも129-125で勝利をもぎ取った。勝利の立役者は36得点12リバウンド3アシスト1スティール2ブロック、第4クォーターに13得点を集めたヤニス・アデトクンボだ。

バックスはネッツの大型ポイントガード、ベン・シモンズのマークにセンターのブルック・ロペスを付けるも、ネッツのスモールラインナップのスピードに振り回され、今シーズン絶好調のキャム・トーマスに45得点、ミケル・ブリッジズに31得点を奪われる。この対策としてゾーンディフェンスを多用したが、試合は最後までもつれる展開となった。

96-94とバックスの2点リードで迎えた第4クォーター、アデトクンボは4得点2アシストでリードを7点に広げて一度ベンチに下がる。ただ、2分半の間に0-10のランを浴びて逆転を許し、コートに戻ることに。そこから連続得点でチームに再び勢いを与え、ディフェンスでも奮闘する。そして3点リードで迎えた残り15秒、勝利を決定付けるブロックショットが飛び出す。ブリッジズとのハンドオフからリムへと飛び込んだキャム・トーマスのダブルクラッチに、アデトクンボは驚異的な反応で付いていき、ブロックしたボールを自らがっちりとつかんだ。

このビッグプレーが決め手となってバックスが勝利。アデトクンボは「ちょうど良い場所にポジションを取ることで、ブロックを決めることができた。ディフェンスでも試合に影響を与える選手でありたいといつも思っているから、その通りのプレーができて気分が良い」と振り返る。ヘッドコーチのエイドリアン・グリフィンはアデトクンボについて「すべてが驚異的だ。チームが勝つために必要なことは何でもやってくれる」と、そのオールラウンドな活躍を称えた。

バックスの指揮官に就任したグリフィンは、そのディフェンスにスモールラインナップにゾーンといった新たな要素を加えた。それでもホークス、ラプターズに敗れたことで、アデトクンボを始めとする古株の選手たちから、ロペスのリムプロテクト能力をもっと重視すべきだとの進言を受けたという。ただ、この試合ではスモールラインナップとゾーンが効いた。アデトクンボをセンターに置き、パット・カナートンやマージョン・ボウチャンプがスイッチしてペリメーターを守る。カナートンは言う。「ディフェンスでの多様性は、僕らを強いチームにしてくれる。いろいろ試すことが一貫性を欠くように見えるかもしれないけど、プレーオフを迎えた時に道具箱の中にいろんなアイテムを持っておきたい」

アデトクンボは「新しいメンバーもいるし、慣れるまでには少し時間がかかる」と言い、こう続ける。「でも今日は落ち着いて自分のプレーができた。デイム(デイミアン・リラード)もクリス(ミドルトン)も僕を信頼してチャンスを作ってくれたしね。しっかりと練習して、彼らがどこにパスを出すか分かるようになり、だいぶスムーズにプレーできるようになった」

指揮官グリフィンの新たな試みにについても、アデトクンボは理解を示す。「自分のアイデンティティを押し付けるわけじゃなく、上手くいく戦い方を見つけたいだけなんだ。昨シーズンにできなかったことにチャレンジする。すぐに上手く行くわけじゃないけど、試して損はない。最終的に本当に自分たちが得意なやり方を見つけ出すつもりだ」