秋田ノーザンハピネッツ

試合終了間際に逆転されるも、中山のスティールからドラマが

秋田ノーザンハピネッツvs京都ハンナリーズの第1戦は攻守が噛み合った秋田がスタートダッシュに成功する。

ボールマンへ激しいプレッシャーをかけると、周りもディナイ気味に守り、パスコースをなくしたことで京都に思い通りのオフェンスを展開させない。攻めては持ち味を生かした赤穂雷太が3ポイントシュートにランニングプレーで得点を重ねると、中山拓哉が交代直後にバスケット・カウントを獲得し、開始約4分でリードを2桁に乗せた。

その後も長谷川暢が長距離砲を含む7得点を挙げ、田口が速攻を成功させるなど、セカンドユニットも機能。ターンオーバーをしっかり得点に繋げた秋田が30-15とダブルスコアで第1クォーターを終えた。

第2クォーターに入ると、秋田はスティーブ・ザックがフィニッシャーとなりインサイドでスコアしていったが、序盤に決まっていた3ポイントシュートがことごとく外れたことで失速していく。一方の京都は秋田の激しいディフェンスの前に良いオフェンスが組み立てられずにいたが、徐々にその圧力に慣れたことでボールが回り始める。リズム、テンポともに良くなった京都はマシュー・ライトが4点プレーを含む7連続得点を挙げて、残り約2分でビハインドを1桁に戻した。

その後も苦しい時間が続いた秋田だったが、ワンマン速攻を食らいかけた場面でロバート・ベイカーがチェイスダウンブロックで失点を防ぐと、すぐさま攻守を切り替え田口成浩がトランジションスリーを沈めるビッグプレーが飛び出し、44-34で前半を終えた。

後半は互いに要所でシュートを決め切れず重い展開が続いた。秋田は何度か5点差に迫られたが、残り2分を切った場面ではスティールに成功した中山が岡田からアンスポーツマン・ライク・ファウルを誘発し、これで得たポゼッションで田口が3ポイントシュートを射抜いてピンチを脱出。こうして1ポゼッション差にされることなく、7点リードで最終クォーターに突入した。

その後、オフェンスがうまくいかない時間帯が続いた秋田だったが、24秒バイオレーションやオフェンスファウルを誘発するなど、信条とするディフェンスで耐え11点リードでオフィシャルタイムアウトを迎えた。しかし、ここから京都の驚異的な粘りが始まる。ライトが2本、岡田が3本の3ポイントシュートを沈めて一気に1点差に迫ると、残り45秒にはジャクソンがシュートファウルを獲得。フリースローを2本とも沈めて、ついに80-79と逆転に成功した。さらに直後のディフェンスでザックのムービングスクリーンを誘発し、残り29秒でポゼッションを獲得と圧倒的に優位に立った。

しかし、あきらめない秋田は岡田がファンブルしたボールに中山が素早く反応すると、そのままボールをプッシュしてフィニッシュに持ち込んむ。これは外れるが、カバーに走りこんでいたクロケットがボールを押しこみ、残り0.7秒で逆転。終了間際の逆転劇で秋田がホーム春勝利を手にした。

終盤に怒涛の猛追を見せた京都だったが、最後の最後で今シーズン初勝利が手からこぼれ落ちた。ロイ・ラナヘッドコーチは「かなり痛い一敗」と表現し、このように試合を振り返った。

「スタートでかなり緩く入ってしまい、ターンオーバーとオフェンスリバウンドのところで最後はやられてしまった。プライドを持ってプレーし続けた結果、ファイトバックできたと思います。最終的には勝つチャンスがあったと思うので、この反省を生かして明日も準備したいです」