デマーカス・カズンズ

写真=Getty Images

「メディアにネタを提供したくなかった」

昨年のオフにウォリアーズとベテラン最低保障額で契約したデマーカス・カズンズが、ついに明日、新天地でのデビューを飾る。

昨年1月下旬に左足アキレス腱を断裂したカズンズは、昨シーズン終了後フリーエージェントになったものの、どのチームからもオファーが届かなかった。重傷から完全復活できるかを疑問に思った各チームの考えも理解できるが、カズンズは腹を立て、自らウォリアーズに連絡を入れて加入する意思があることをGMに伝えた。スリーピート(3連覇)を狙う王者が、最低保障額でオールスター・ビッグマンを獲得できる機会を逃すはずもなく、『オールスター・クインテット』が誕生した。

ケガをしてから1年近くリハビリとトレーニングを続けてきたカズンズは、1月18日にステイプルズ・センターで行われるクリッパーズ戦で復帰することが決まっている。しかし、ここで一つ疑問に思うこともある。どうして彼は、自分と再契約しなかったペリカンズとの試合で復帰しなかったのだろうか?クリッパーズ戦で復帰できるのなら、1月16日にオラクル・アリーナで行われたペリカンズ戦にも出場できたはず。その件に関して、カズンズはペリカンズ戦前に「メディアにネタを提供したくなかった」と、『Yahoo Sports』に語った。

「それはボブ(マイヤーズGM)に聞いてもらえれば分かる。メディアにネタを提供したくなかったから、(復帰が)金曜の試合になったんだ」

一部報道によれば、カズンズは復帰時期を早めることを希望したと言われている。本人の希望を受け入れる場合、球団側は出場時間を10分に制限したという話もある。しかしカズンズは、球団と話し合いを続け、双方が納得するプランを組んで進めていったとコメントした。

「意見をぶつけ合ったり、長時間の話し合いが必要だったわけではないんだ。綿密な計画を立てて進めた。もし納得できないことが出てきたら、そこで目標を見直した。そういう風に進めていったんだよ」

「最終的に大事なのは、健康な状態に身体を戻すこと。それは自分も分かっている。復帰を急ぎたくなかった理由は2つあった。1つ目は、自分にとっても初めてのケガで、経験したことがなかったから、専門家の意見を信頼した。2つ目の理由は、十分なくらいバスケットボールをプレーする機会を逃してきたのに、これで復帰を急いで、他の部分を痛めてしまったら、また復帰に向けたプロセスを一から始めないといけない。それだけは避けたい。まず、しっかり治したかった。球団も自分も、そういう意識で進めていたと思う」

ウォリアーズは、ステフィン・カリーがシーズン序盤に負傷離脱した影響もあり、昨年11月には4連敗を喫した。クレイ・トンプソンも長期に渡りシュートタッチを取り戻せないスランプを経験したが、それでもチームとして徐々に調子を上げ、西カンファレンス首位に返り咲いた。

ヘッドコーチのスティーブ・カーは、復帰初戦からカズンズの先発起用を明言している。チームのシステムにどれだけフィットできるかを判断するには、多少の時間も必要だろう。だが、カリー、ケビン・デュラント、トンプソン、ドレイモンド・グリーン、カズンズが揃い踏みする先発ラインナップがハマった時の破壊力は誰も想像ができないだろう。