スペーシングバスケに磨きをかけ、3ポイントシュートの試投数が増加か

安齋竜三ヘッドコーチの退団はあったものの、主力ロスターが残り連覇の期待がかかった昨シーズンの宇都宮ブレックスだったが、32勝28敗という成績に終わり、Bリーグ開幕以後初めてチャンピオンシップを逃した。クラブはこの結果を受けて、今オフに大きく舵を切ってきた。東京五輪日本代表のギャビン・エドワーズと、リーグを代表する外国籍ガードのD.J・ニュービルというインパクトがある2選手を獲得し、チームの印象がガラリと変わった。

加えて、主力の日本人選手がベテラン化していることを受けて、昨シーズン特別指定選手だった高島紳司、練習生から昇格の村岸航、アメリカの大学でプレーしていた四家魁人ら若手選手を加え、ロスターに刺激を入れてきた。佐々宜央ヘッドコーチ体制2シーズン目の今季は、これまでの宇都宮にこだわらない新しいスタイルで王座奪還を目指す。

昨シーズンの中盤以降、宇都宮はスペースを意識したオフェンスを展開しており、これは終盤に向けて成果を上げていた。ドライブで相手ディフェンスを崩せる比江島慎とニュービルがいる今シーズンは、昨シーズン以上にスペーシングが向上し、結果的に3ポイントシュートの試投数が増加すると予想される。新規加入選手たちがチームディフェンスのルールに早くアジャストすることも、序盤戦の鍵になるだろう。

所属選手一覧

『FP(ファンタジーポイント)最多日本人選手』

※FP(ファンタジーポイント)は、選手の活躍度合を計る指標となるポイント。各選手が実際の試合で記録した成績に応じて算出される。

比江島慎
『FIBAワールドカップ2023』での活躍で、元々高かった評価をさらに上げた日本の天才。昨シーズンはコンディションの不調もあり悔しいシーズンを過ごした。今シーズンにかける思いは人一倍強いだろう。プレーメーカーの役割も担うが、得意のドライブと3ポイントシュートで得点を量産してくれるに違いにない。

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【注目選手】

高島紳司
昨シーズンは特別指定選手ながら39試合に出場し、出場時間16分50秒とチームに貢献。武器であるスコアリング能力はもちろんのこと、ディフェンスでもハッスル。すでに『ブレックスの選手』のオーラを身にまとっている。3&Dのお手本とも言える遠藤祐亮から多くを学び、看板選手へと成長していってほしい。

D.J・ニュービル
昨シーズンは大阪エヴェッサで平均19.4得点、4.2リバウンド、5.5アシスト、1.4スティールと怪物的なスタッツを残した。オフェンスに目が行きがちだが、実はディフェンスの名手であり、その力は宇都宮でも発揮されるだろう。大阪では絶対的な個として大活躍していたが、チームバスケを是とする宇都宮においても遜色ない働きをするのは間違いない。