トンプソンは長期残留を希望するも、クラブの懐事情は複雑
ウォリアーズに崩壊の危機が近づいている。とはいっても12日のピストンズ戦に完勝を収め、16日のキャバリアーズとの『決戦』に向けた準備を続けているチームは順調そのもの。危機が訪れるのはシーズン終了後、チーム編成の話だ。
今年のオフにはステフィン・カリーがフリーエージェントになる。マックス契約でチームと再契約を結ぶのはほぼ確実だ。昨夏に加入したケビン・デュラントはプレーヤーオプション付きの1年契約を結んでおり、こちらもフリーエージェントとなりウォリアーズとマックス契約を結んで残留となる見込み。
新たな労使協定によりマックス契約の金額は大幅に増え、カリーとデュラントは、おそらく3600万ドル(約41億円)超の年俸を手にすることになる。ドレイモンド・グリーンは2019-20シーズンまでウォリアーズの契約下にあり、来シーズンの年俸は1750万ドル(約20億円)で、その翌シーズンは1850万ドル(約22億円)に増額される。
そこで問題となるのは年俸総額だ。来シーズンのサラリーキャップの金額は今シーズン終了後に発表されるが、1億800~900万ドル(約123~125億円)程度になると言われている。カリー、デュラント、グリーンの年俸だけで約9000万ドル(約103億円)、ここにトンプソンの来シーズン年俸1780万ドル(約20億円)を加えると、サラリーキャップ満額にほぼ到達する計算となる。
カリー、デュラント、グリーンより早い2019年にフリーエージェントになるトンプソンがマックス契約を希望する場合、他チームへの移籍がベストな選択肢になるだろう。だがトンプソンは残留を希望し、現時点で新たな契約については考えていないと、『USA Today』のポッドキャスト番組で語った。
「今は契約のことは考えないようにしている。できるだけ長くチームには残りたい。ベイエリアでの生活も好きだし、このチームは特別な場所だから、それが自分にとっての優先事項になる。ハードに取り組み続ければ、その努力に見合ったものを手にできると思っている。いくら稼げるとか、あまり考えない性分なんだ。謙虚な姿勢を持ち続けて、今の環境に感謝しないといけない。このまま努力を続ければ、それに見合うものは与えらえるものだから」
選手であれば一攫千金を目標にするのも当然だが、トンプソンは元NBA選手で、現役時代にレイカーズで2度の優勝を経験した父マイカル・トンプソンからの教えを今も大事にしているという。
「僕は父から正しく育てられた。『金のためではなく、バスケットボールに対する愛情のためにプレーしろ』と教えられた。そうすれば見合ったものが手に入る、とも教えられた。今は僕たち選手がリーグに大きな収益をもたらしている。そういう時代に現役でいられて感謝しているよ。このまま努力を重ねれば、与るべきものを得る。それが長く続けば良いと思っているよ」