ボリサ・シマニッチ

「最初は本当に苦労したけど、今はかなり回復した」

セルビア代表のボリサ・シマニッチはワールドカップの1次リーグ最終戦で思わぬアクシデントに見舞われた。ゴール下で得点を狙う相手選手を止めにいって接触を受けた彼は、一度は立ち上がったものの動くことができなかった。

振り向く際に肘がシマニッチの脇腹に当たる荒っぽいプレーではあったもののファウルの笛は吹かれず。この時点で残り時間は2分を切っており、106-80とセーフティリードを得ていたセルビアがそのまま勝利している。だがシマニッチは病院に運ばれて手術を受けることになり、当初の経過は良好だったものの合併症を起こして、片方の腎臓を摘出することになった。

その後、セルビアのどの選手も「シマニッチを少しでも元気づけたい」との思いでプレーし、銀メダルを勝ち取った。シマニッチは2度の手術を受け、絶対安静でスマホを持つことも禁じられていた。彼が初めてチームとコンタクトを取れたのは、ケガから7日後のリトアニア戦当日。準々決勝に臨むチームメートを激励した。

その彼は『Radio Belgrade』に出演し、今のコンディションをこう語っている。「最初は本当に苦労したけど、今はかなり回復した。自分で歩けるようになったし、食事もできている」

「先のことはまだ分からない。まだプレーする可能性はあるし、そうするつもりだ。だけどまだ3カ月は療養して、腎臓を治さなきゃいけない。その後にチェックをしてからだね」

シマニッチはまだ25歳。昨夏にNBAのサマーリーグに挑戦し、昨シーズンは初めて母国を離れてスペインでプレーした。まだまだこれから素晴らしいキャリアを築くことができるであろう彼の完全回復を願いたい。