カナダ代表として2000年以来の五輪出場「五輪に出るのは俺の夢だった」
FIBAワールドカップ2023、2次ラウンド最終戦でカナダ代表はスペイン代表と対戦。勝者がベスト8進出、敗者はこのラウンドで敗退決定となる大一番で序盤から劣勢を強いられるも、第4クォーターに27-12と猛攻を見せ88-85で制している。これでカナダはアメリカ大陸で2位以上を確定させ、実に2000年シドニー以来の五輪出場を決めた。
この試合、カナダはシェイ・ギルジャス・アレクサンダーが30得点7アシスト4リバウンド3スティールとエースの役割をしっかり果たした。そして大きかったのは、ディロン・ブルックスが22得点5リバウンドを記録し、残り1分19秒に80-80と追いつく値千金の3ポイントシュートを沈めたことだった。
昨シーズンのNBAにおいて、ブルックスは相手に対するコート内外での挑発的な対応が目立ち、グリズリーズがプレーオフでレイカーズに敗れた際には戦犯の主要人物に取り上げられ大きな批判を受けた。それでも、カナダ代表では信頼のおける仲間たちと楽しんでプレーできている模様だ。
『Eurohoope.net』の取材に対し、ブルックスはこう語る。「元いたチーム(グリズリーズ)でのタフなシーズンを経て、カナダ代表でリフレッシュできている。みんな俺の事を信じてくれている。素晴らしい形での大きな勝利となった」
さらに今大会で頂点に立って、パリ五輪へと弾みをつけたいと続けている。「五輪に出るのは俺の夢だった。U16でカナダ代表に加わってから俺たちは多くのプライドを持って戦ってきた。今大会で金メダルの取り方を分かることができれば、(パリ五輪も)素晴らしいものになると思うよ」
グリズリーズではトラブルメイカーのイメージが強かったブルックスだが、カナダ代表では全く違う。アレクサンダーは「彼はリーダーで、コート上で正しいプレーをする。彼は正しいエナジーを出している。これまでの貢献が報われて今夜、彼はシュートを決めたんだ」とブルックスの統率力に信頼を寄せている。
アメリカ代表がリトアニア代表に2次ラウンドで敗れたように今大会に絶対的な強者はいない。NBAでの苦しいシーズンを経て、代表で甦ったブルックスが今の好調をキープできれば、カナダ代表が頂点に立つ可能性も大いにある。