今日は皇后杯の準々決勝4試合、5連覇中のJX-ENEOSを止めるチームは現れるか?

2019/01/11
Bリーグ&国内
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皇后杯

文・写真=鈴木栄一

台風の目となり得る三菱電機がトヨタ自動車に挑む

第85回皇后杯のベスト8の顔ぶれは、近年のWリーグで上位の成績を残しているチームに波乱なく収まった。中でも5連覇中のJX-ENEOSが優勝候補の筆頭として、頭一つ抜けていることは間違いない。

Wリーグでの今シーズン、JX-ENEOSは絶対的リーダーの吉田亜沙美がベンチスタートに周り、藤岡麻菜美が先発ポイントガードに。そして渡嘉敷来夢とともにインサイドを支えていた大崎佑圭が選手登録を外れるなど少なくない変化があった。それでもリーグ戦ではここまで14戦全勝、すべて2桁得点差と危なげない強さを見せている。

日本代表での実績もある藤岡が昨シーズンのほとんどを棒に振るケガから復帰し、そつなくプレーしていることに加え、大崎離脱を受けて先発に入った2年目の梅沢カディシャ樹奈も、ここまでリーグ戦で平均2桁得点を挙げるなど及第点以上の働きを見せている。もちろん、日本代表の新たなエースとして定着しつつある宮澤夕貴もおり、戦力の充実度では間違いなくNo.1だ。

そんな盤石のJX-ENEOSだが、あえて不安要素を挙げるとすればここまでリーグ戦でデンソー、トヨタ自動車、シャンソン、富士通と昨シーズンの上位チームとまだ対戦していないこと。今シーズンに飛躍を遂げている三菱電機には危なげなく勝利したものの、強敵との実戦経験が少ないことに変わりはない。対戦相手としては序盤から積極的に仕掛けていって先制パンチを食らわせることで女王を慌てさせる展開に持ち込みたい。

打倒JX-ENEOSの有力候補と言えるのが、日本代表にも複数の選手を送り出しているデンソーとトヨタ自動車だ。しかし、トヨタはスペイン出身のイヴァン・トリノス・ガルシア新ヘッドコーチを招聘して新たなスタイルを構築していく中、多くの主力が代表活動でプレシーズンに不在だったことによるチーム作りの遅れがあったことは否めない。また、デンソーも新コーチのユーギ・カミノスが12月上旬には早くも退部と、新スタイルの導入にもたついた。

この両チームが、12月16日でリーグ戦が中断に入ってからこのブレイク期間を利用して、どこまでチームの連携を深め、戦術を浸透させたかは、大会全体に大きな影響を与えてくる。

JX-ENEOS

一発勝負の大舞台で『新星』の登場にも期待

準々決勝はデンソーvsトヨタ紡織、トヨタ自動車vs三菱電機、富士通vs日立、シャンソン化粧品vsJX-ENEOSの4カード。リーグ戦で成績上位のチームがそれぞれ優位と言える。ただ、トヨタ自動車vs三菱電機はどちからが勝ってもおかしくない激戦となり得る注目カードだ。この4、5年のスパンで見ても、リーグ戦も含め第80回皇后杯の3位以外はトップ4の壁を崩れずにいた三菱電機であるが、今シーズンはリーグ戦でここまで10勝4敗、デンソーに2連勝するなどJX-ENEOS以外とは全く遜色ない戦いを見せている。今夏のワールドカップ出場メンバーの根本葉瑠乃と渡邉亜弥の2枚看板を軸に同じメンバーで数シーズンを戦ってきて着実に高めてきたチーム力が、個々の成長と相まって大きく花が開きつつある。ここでトヨタを撃破できれば、一気に台風の目となる爆発力を持っている。

また、チームだけでなく、東京オリンピックへ向け日本代表が積極的な心身代謝を図っている中、個人の活躍に注目するのも面白い。例えば馬瓜エブリンは、ワールドカップでの好調をリーグ戦でも維持し、現在トヨタ自動車でチームトップの平均得点とリバウンドを挙げている。シャンソン化粧品の谷村里佳は、昨シーズンのレギュラーシーズンでは平均8.5得点、5.4リバウンドだったのが、ここまで平均19.7得点、7.9リバウンドと大きく成績アップ中だ。一発勝負の大舞台で、輝きを発する新星の登場も楽しみにしたい。