「このグループリーグを突破することだけにフォーカスしています」

男子日本代表はワールドカップ初戦で格上のドイツ代表に63-81で敗れた。

スコアだけを見れば大敗だ。それでも、3ポイントシュートが不発に終わり、守護神のジョシュ・ホーキンソンがファウルトラブルに陥り、さらにシューターの富永啓生が徹底マークを受けて持ち味を発揮できない状況の中、後半を32-28で上回ったことは日本の可能性を感じる内容でもあった。

先発を務めた原修太は2本の3ポイントシュートを放ったものの、17分のプレータイムで無得点1リバウンドに終わった。もちろん、スタッツだけが評価のすべてではないが、全員バスケを掲げる以上物足りない数字ではある。実際に原もオフェンスへの関与が足りなかったと振り返った。

「個人的な話をすれば、もう少しオフェンスに絡んでチームに流れをもたらしたかったです。そこで得点だったりアシストがなくても、一つのピックでズレを作ったり、そういうことをもう少しできていればと思います。次の試合からは意識してやっていきたいです」

3ポイントシュートが低調に終わった理由は様々だが、原は決して相手のプレッシャーに屈したわけではないと強調した。「出だしは良いシュートが打てていたと思っています。そこで2、3本入っていたら流れが変わっていたかもしれないです。特に啓生のところはマークされていたんですけど、それ以外のところは打たせてもらえなかったという感じではなかったです」

日本の弱点であるインサイドを攻め立てられたことが前半の大量ビハインドに繋がったが、「予想していなかったわけではないので、もう少し身体を張ったディフェンスをしていきたい」と、あらためてフィジカルなディフェンスが勝敗のカギを握ることを実感したという。

原は代表に合流したタイミングがメンバー内で最も遅かったが、強靭なフィジカルを生かしたディフェンスが特に評価され、12人の椅子を勝ち取った。そして、これまでの強化試合では一度も先発出場はなかったが、初の国際試合で先発起用された。Bリーグで結果を残し、一気に日本代表の先発まで上り詰めた原だが、そこに特別な感情はないという。それは戦いが始まったばかりで、目の前の勝利にしか興味がないからだ。

「達成感は特にないです。この大会が終わって良い成績を収めたら達成感はあると思いますが、このグループリーグを突破することだけにフォーカスしているので。1敗は大きいですけど、へこんでいる暇はありません」

いきなりの国際舞台で先発起用された原。本日のフィンランド戦では持ち味のディフェンスだけでなく、オフェンス面でも多大なインパクトを残してほしい。