パティ・ミルズ

20歳のギディーと35歳のミルズがオフェンスを牽引

沖縄アリーナでの開幕戦となったオーストラリアとフィンランドの試合は、高度な連携を誇るフィンランドに対して、個人能力に勝るオーストラリアがアジャストしていく展開となりました。

ラウリ・マルカネンを警戒するオーストラリアは、時にはオフボールで動くところを抱きかかえてファウルするほどの激しさに加え、ボールを持ったらダブルチームを仕掛け、フィンランドのエースを消しに行きました。しかし、このダブルチームからパスを回し、空いた選手がしっかりとゴール下に飛び込んで決めれば、サス・サリンの4点プレーも決まるなど、マルカネンを中心にしながらチームとして得点を生み出していったフィンランドのペースで前半が進みます。

しかし、第2クォーター終盤になるとパスのタイミングをつかみ始めたオーストラリアが、フィンランド得意のカットプレーをパスカットで止めるようになります。オフボールとパッシングでオフェンスを構築しているフィンランドにとって、カットプレーを封じられると3ポイントシュートのチャンスも作れなくなっていき、前半のうちにオーストラリアが45-40逆転に成功します。

前半はジョシュ・ギディーが何度もインサイドにアタックしながらも、フィンランドの高さに苦しんでいたオーストラリアですが、ベテランのパティ・ミルズが個人技で攻略し始めると、ダンテ・エクサムも3ポイントシュートにトランジションからデュオプ・リースのダンクをアシストし、後半開始早々にリードを2桁に広げ、完全に主導権を握りました。

タイムアウトでプレーをデザインしたフィンランドは、マルカネンがカットプレーを決めると、さらにドライブからのファウルドローで追い上げますが、エクサムのドライブを止めることができず、レイアップやアシストを次々と決められ、さらにギディのドライブからジャック・ホワイトのダンクが生まれるなど、流れを取り戻すには至りませんでした。

見事なチームオフェンスを見せたフィンランドですが、1on1のところで突破することが難しく、逆にオーストラリアはギディー、ミルズ、エクサムがドライブで崩していき自ら得点するだけでなく、引き付けてのパスでチームメートにフィニッシュさせていきました。前半こそ苦しんだものの、終わってみれば攻守に個の戦いで違いを見せつけたオーストラリアが、後半だけで21点差をつけました。

14得点9リバウンド8アシストとオールラウンドな活躍を見せた20歳のギディーと、ゲームハイの25得点を奪った35歳のミルズ。若手とベテランのそれぞれの中心選手がオフェンスを牽引し、チーム全体のハードなディフェンスが光ったオーストラリアが、大会初めの1勝を手にしました。