「(ワールドカップまでに)自分が望む身体を作れる可能性はないと感じた」

8月25日に開幕される『FIBAワールドカップ2023』に出場するラトビアの大黒柱クリスタプス・ポルジンギスは、足底筋膜炎によるコンディション不良を理由に無念の大会欠場となった。これはラトビアにとって大きな痛手だ。

オフシーズンにポルジンギスはトレードでウィザーズからセルティックスへと移籍。そして2024-25シーズンから2年6000万ドル(約87億円)での契約延長を結んだ背景もあり、万全のコンディションでNBAのシーズンへ臨むためには、致し方ない決断だった。

ここでポルジンギスの代表活動は終わりに思えたが、彼は自身がプレーできないにも関わらずワールドカップ期間中もチームに帯同しており、グループリーグの開催地であるインドネシア入りしている。

『Sporta Studija』の取材に対し、ポルジンギスは代表への忠誠心を語る。「プレーしなくてもチームの側にいることが重要だと言ったんだ。みんな僕の決断を尊重してくれた。これからNBAの長いシーズンが待っており、家族や代表のチームメートと過ごすことは大切だ。そしてボストンは僕の決断を尊重してくれた」

そして故障の詳細について次のように続ける。「トレーニング中に痛み出した。これまで、こういうことはなかった。(ワールドカップまでに)自分が望む身体を作れる可能性はないと感じた。足を壊してまでプレーするのは論理的ではないよ」

221cmのサイズと機動力を備え、3ポイントシュートも打てるポルジンギスはNBAの中でも屈指の万能ビッグマンだ。しかし、キャリアを通して故障に苦しめられており、NBA1年目の2015-16シーズンに72試合出場した以外に70試合以上をプレーしたことはない。このように耐久力に問題を抱えているポルジンギスが今回のワールドップ出場を見送ったことは、マーカス・スマートなど大きな代償を支払ってまで獲得したセルティックスにとって朗報だ。

ラトビアはカナダ、フランス、レバノンと同組のグループHと厳しいグループに入っており、2次ラウンド進出を果たすには、少なくともカナダ、フランスのどちらかを下すアップセットが必要だ。例えプレーできなくともポルジンギスはチームの精神的支柱として、ワールドカップを愛すべきチームメートと一緒に戦うだろう。