試合を支配したドンチッチは20得点7アシスト7リバウンドの活躍
バスケットボール男子日本代表がワールドカップ前最後の国際強化試合、スロベニア戦に臨んだ。
日本の先発はフランス戦と同じく河村勇輝、富永啓生、吉井裕鷹、馬場雄大、ジョシュ・ホーキンソンの5人。日本は素早いパス回しからシュートチャンスを作り出し、富永と吉井が3ポイントシュートを沈める。一方のスロベニアはルカ・ドンチッチが河村の眼前で3ポイントシュートを決めれば、ポストプレーやドライブでディフェンスを引き付け、周りを生かしていった。その後もドンチッチを起点に打開され連続得点を許し劣勢に立たされたが、途中出場の富樫勇樹が連続でプルアップスリーを沈めて繋ぐ。さらにラストポゼッションでは素早いボール回しからノーマークを作り、ルーク・エヴァンスが3ポイントシュートを射抜いて21-26と食らいついた。
第2クォーターのファーストプレーで河村がプルアップスリーを沈めて勢いに乗りかけたが、ターンオーバーから速攻を許し、ダブルチームからバックコートバイオレーションを喫してしまう。それでも、日本もディフェンスで奮闘。トラップディフェンスから連続でミスを誘発しそれを得点に繋げれば、ホーキンソンがセカンドチャンスポイントを挙げ2ポゼッション差前後で試合は推移した。
何度もスロベニアの背中をとらえかけたが、大事な場面でドンチッチが試合を支配する。ペイントアタックから3人を引き付けて3ポイントシュートをアシストするなど、確実にオフェンス優位な状況を作り出す。さらに巧みなフェイクで翻弄し、シュートファウルを獲得。残り約1分には原から個人3つ目となる3ポイントのシューティングファウルを獲得すると、フリースローをすべて成功させ50-36と一気に突き放して前半を終えた。
後半に入っても、ドンチッチの華麗なアシストが止まらない。ノールックパスでゴール下のイージーシュートをお膳立てすれば、バックビハインドパス1本でフリーの状況を生み出していった。開始2分過ぎ、セカンドチャンスポイントを許し、日本のビハインドは20の大台に乗った。
その後、吉井がドンチッチからアンスポーツマン・ライク・ファウルを誘発し、3ポイントシュートも成功させるなど奮闘。比江島がアグレッシブにアタックし、富樫がプルアップスリーを沈めるなど粘りを見せた。それでも、ドンチッチ以外の選手も的確な状況判断をし、連動したチームバスケットで得点を積み重ねるスロベニアオフェンスを止められず、50-77で第3クォーターを終えた。その後も攻守ともに打開策を見いだせなかった日本は、最終スコア68-103で敗れた。
ドンチッチは27分54秒のプレータイムでともにゲームハイの23得点に加え7アシスト7リバウンドを記録し、文字通り試合を支配した。