ダル・タッカーとフレディ・イブラヒムのガードコンビに注目
日本との対戦が少なく、あまり馴染みがないヨルダンですが、昨年のアジアカップではベスト4に入り、ワールドカップも連続出場とアジアの強豪として台頭しています。FIBAランキングでも日本の36位より上の33位で、アジアでは5番目となっています。アジアの上位国が世界相手にどこまで戦えるのか、一つの指標にもなるチームです。
チームの中心は35歳になったベテランガードのダル・タッカーで、予選では10試合に出場し、平均19.8得点、7.5リバウンド、3.4アシストとチームを牽引しました。推進力のあるドライブ、左利きらしいタイミングを外した3ポイントシュート、そしてガードながらリバウンドも多く、攻守に渡ってヨルダンに欠かせない選手です。予選終盤のニュージーランド戦で31得点8リバウンド、フィリピン戦で22点12リバウンドと重要な試合で勝負強さも発揮し、ヨルダンは3連勝で予選突破を決めました。
タッカーとコンビを組む26歳のフレディ・イブラヒムは全12試合に出場し、チームハイの31.8分のプレータイムに加え7.3アシスト、1.3スティールで攻守に渡る活躍を見せています。7.3アシストは日本の河村勇輝を抑えて、アジア予選でトップの数字。ヨルダン最大の武器であるガードコンビが世界大会で通用するかが勝利へのキーポイントになってきます。
ヨルダンが入ったグループCはアメリカ、ギリシャ、ニュージーランドと格上の相手が揃いました。個人能力で大きな差があるアメリカは厳しすぎる相手ですが、ニュージーランドには予選で勝利しているだけに希望もあります。1次リーグを突破するには初戦のギリシャ戦が最も重要になるだけに、この試合にフォーカスしてコンディションを整えてくるでしょう。
ワールドカップの舞台でアジアのチームは1次リーグ突破すら厳しいものがありますが、言い換えれば1次リーグを突破できれば来年のパリオリンピックの出場権獲得が見えてきます。アメリカ1強のグループは残りの3チームで混戦となりやすいだけに、ヨルダンとしてはガード陣のゲームコントロールで接戦を勝ち切りたいところです。