「これまでのキャリアで高めてきたレベルを確実に保つ唯一の選択肢」
ギリシャ代表のヤニス・アデトクンボは現地8月11日、ワールドカップに出場しないことを発表した。7月に左膝の軟骨を除去する手術を受けたアデトクンボは、ギリシャ代表のトレーニングキャンプにも参加していなかったため、ワールドカップ出場を回避する可能性が高まっていた。
それでもアデトクンボは代表への思い入れが強い選手で、2019年のワールドカップ、昨夏のユーロバスケットに出場し、ギリシャ代表のために全力を尽くしてきた。その彼にとっては苦渋の選択だろうが、代表参加を辞退するにあたり発表したコメントの中で「これは選択ではない」と記している。
「これは選択ではなく、僕がこれまでのキャリアで高めてきたレベルを確実に保つ唯一の選択肢だった。こうなったことに本当に失望しているけど、メディカルスタッフと決めたことだ」
今回も膝の状態を見ながら、最後までワールドカップ参加の可能性を追い求めたのだろう。ただ、アデトクンボの望むようにはいかなかった。昨年にはユーロバスケットに出場し、また来年にはパリオリンピックが予定されており、今回を休養にあてなければ3年連続で代表活動があるところだった。結果的に今回の出場を見送ることで、オリンピック出場への可能性は高まる。
アデトクンボも声明の中で、次のオリンピック出場への意欲を語っている。「次に僕の名前が呼ばれる時のために、自分を鍛え続けるつもりだ。僕個人の、そしてチームの目標は、2024年のオリンピックに出場すること。来年、ギリシャ代表としてオリンピックでプレーすることは、僕にとって大きな名誉となる」
ただ、激戦のヨーロッパで出場権を確保するのは簡単ではない。ワールドカップの成績でヨーロッパ勢の上位2チームに入ればオリンピック出場権を得られるが、これを逃せば世界最終予選に回ることになる。ギリシャはアデトクンボ抜きで、これを勝ち取らなければならない。