大黒柱ガードナーに依存せず、走るバスケで勝利
京都ハンナリーズがハンナリーズアリーナに新潟アルビレックスBBを迎え、2019年最初のゲームを戦った。
京都はジュリアン・マブンガがチャンスメーク、デイヴィッド・サイモンがフィニッシャー役としてチームを引っ張り、2メンゲームでオフェンスを展開。第2クォーターにはベンチから出た近忍がタイミング良くパスを引き出して3ポイントシュートを沈めて攻撃に変化を付ける。対する新潟は大黒柱のダバンテ・ガードナーを強調する攻めで付いていく。
どちらも主導権を得られないまま、外国籍選手を中心とするハーフコートバスケットの応酬が続いた前半は34-32と京都がリード。しかし、第3クォーターに新潟はテンポを上げて京都を振り切る。きっかけを作ったのはポイントカードの五十嵐圭だ。前半はシュートアテンプト0本と様子見に終始した五十嵐が、力強いボールプッシュでリズムを作り出す。ガードナーに単純に預けるのではなく、五十嵐、柏木真介、池田雄一と外から大胆な仕掛けを繰り返す。
マブンガとサイモンはともに平均プレー時間が37分以上で、揃ってフル出場に近いプレーをこなすだけのスタミナを備えているが、五十嵐の作り出す速いテンポに合わせるのは難しかった。この2人が第3クォーターは各2得点ずつと失速。終盤にはラモント・ハミルトン、五十嵐の連続3ポイントシュートが決まり、一気に2桁のリードを奪った。柏木はこの時間帯を「みんなでディフェンスをして、みんなでリバウンドを取って、走る展開に持っていくことができました」と、チーム全員で自分たちのペースに持っていったことを強調する。
柏木真介「みんなで走る展開に持っていくことができた」
61-51で迎えた最終クォーター、新潟は引き続きスピードと運動量で京都を振り回すべく、重量級センターのガードナーをベンチに置く。日本人パワーフォワードの鵜澤潤がマブンガとサイモンを相手に良く守り、イージーシュートの機会を与えず最後まで波に乗らせなかった。
京都は残り2分でマブンガを、残り1分でサイモンを下げて明日の第2戦に備えることに。ラスト3分半が無得点だった京都に対し、新潟はタイムシェアをしながらも得点を積み上げて最終スコアは82-61に。両チームともに3ポイントシュートが決まらない状況で、外国籍選手のインサイドでの点の取り合いに応じるのではなく、走る展開に持ち込んだ新潟の快勝となった。
サイモンが30点を取った京都に対し、新潟はガードナーが24得点と彼にしては控え目な数字。それでもテンポを挙げ、ボールをシェアすることで流れを引き寄せたという点で、五十嵐のゲームコントロールが光る試合だった。前半は得点もアシストもゼロだった五十嵐だが、終わってみれば9得点4アシスト。司令塔として熟練のプレーを見せた。
京都にとってはホームアリーナで自分たちの強みを封じられる悔しい敗戦。明日の第2戦で同じ展開に持ち込まれないためにも、一夜での修正が求められる。これで年をまたいで4連敗、15勝15敗と貯金がなくなってしまった。そういう意味でも明日は再起の一戦となる。