ピック&ロール以外のペイントタッチなど課題改善の助けとなる新戦力
7月18日、川崎ブレイブサンダースが北卓也GM、佐藤賢次ヘッドコーチ同席の下、今オフに加入した野﨑零也と飯田遼の入団会見を行った。
冒頭の挨拶で北GMは、昨シーズンの反省として1年を通して故障に苦しんだ点に加え、戦術面ではピック&ロールに固執してボールムーブが停滞する場面が目立った点を挙げた。「最近のバスケットボールではピック&ロールが主流ではありますが、そこに固執してボールが全然動かない。ポイントガードとビッグマンがボールを持ちすぎるなど、ピック&ロール以外のところで、ディフェンスを動かせなかった。ペイントタッチをしてディフェンスのズレを作るところなどを求めたいです」
また、ディフェンス面の修正点として、次の部分を挙げた。「スイッチディフェンスをすることが増えてきたのですが、そこでやられてしまう部分があるので、ディフェンスが得意でフィジカルが強く、自分よりサイズの大きい相手にも対応できる選手という部分も考えて編成しました」
野﨑、飯田の両ガードに加え、今回が初のBリーグとなる201cmのトーマス・ウィンブッシュ、昨シーズンは新潟アルビレックスBBでプレーした208cmのロスコ・アレンと4人の新戦力は上記の問題改善の助けになると期待されている。北GMはこう語る。「ポイントガード以外の、ピック&ロールからのペイントタッチにおいて、ロスコ選手はドライブが得意ですし、トーマス選手も身体能力が高く、クイックネスがあるので期待できます。また、野﨑選手も強いドライブをしてくれます」
「ディフェンスで言うと、野﨑選手と飯田選手はフィジカルが強く、たとえば外国人選手とマッチアップしてもバランスを崩したりできると思います。飯田選手はディフェンスの読みも素晴らしく、個人的には長谷川(技)に続くエースキラーの役割もこなしてほしいと思います」
過去2シーズンはファイティングイーグルス名古屋に在籍していた野﨑は「僕の強みであるドライブ、3ポイントシュート、ディフェンスの部分で川崎ブレイブサンダースに勢いを出していければと思います」と意気込みを語った。また、香川ファイブアローズからの移籍となり、今回がキャリア初のB1となる飯田は「エナジーあふれるディフェンスと、思い切りよく3ポイントシュートを打ってチームに貢献できればなと思います」と続けた。
昨シーズンは納見悠仁の台頭こそあったが、オフに前田悟が移籍し、生え抜きの若手である増田啓介のプレータイムが増えていかないなど、川崎はBリーグ創世記から主力メンバーが変わっていない。それだけ東芝時代に入団したメンバーの存在が偉大である一方、このまま新戦力が台頭しないのではチーム力は頭打ちになってしまう。野﨑と飯田は課題となっているチームの新陳代謝を活性化できるか。