髙田真希

「ここまでディフェンスから流れをつかめています」

女子アジアカップ2023、日本代表は準決勝でニュージーランドを88-52で危なげなく下し、今日の決勝で大会6連覇をかけ中国と対戦する。

日本代表はグループリーグを首位通過したことにより、中2日を経てこの試合を迎えた。そして恩塚亨ヘッドコーチが「決勝を見据えて2日間しっかりリカバリーにあてました」と明かしたように、休養優先の調整を行なった。さらに前の試合であるオーストラリア戦がシュートタッチも良く快心の内容だったからこそ、ニュージーランド戦は試合の入りが難しいところはあった。

それでも「そのことを選手たちはしっかり自覚していて、身体を動かしディフェンスから流れをつかむことはやれていたと思います」と指揮官が評価したように、試合の出だしから激しいディフェンスを繰り出すことでリードを奪い、危なげない試合展開で快勝を収めた。

日本代表のゴール下を支える髙田真希は次のように試合を振り返った。「ここまでディフェンスから流れをつかめています。今日も同じようにディフェンスからプレッシャーをかけて、ブレイクに持っていくことを40分間通せました」

恩塚ヘッドコーチ体制になってからの日本代表は、細かい部分でのマイナーチェンジはあるにせよ、基本的にスタイルは変わらない。それでも先日のオーストラリア戦で見事な内容での勝利を収めたことで、「やってきたことはずっと同じですけど、内容が良かったことで自分たちの自信になったのは大きいです」と髙田は大きなプラス効果がもたらされたと見ている。

髙田真希

「プレッシャーをかけて、リバウンドを取っていかにブレイクを出せるのか」

今大会の髙田は、オフェンスでは繋ぎの役割に徹している印象が強い。そして、スタッツには残らないが、堅実なディフェンスで日本のゴール下を支えている。本人も何よりディフェンスにフォーカスしていると強調する。

「インサイドで簡単に点を取られると相手のイージーバスケットになってしまうので、自分がディフェンスとリバウンドで頑張らないといけないです。オフェンスはチャンスがあれば積極的に攻めて打ちますけど、自分の役割は本当にディフェンス、リバウンドという気持ちです」

今日の決勝の相手は、日本と同じくグループリーグから全勝で勝ち上がってきた中国だ。「簡単に勝つことは難しいので、ディフェンスでプレッシャーをかけてリバウンドを取っていかにブレイクを出せるか。そして、ハーフコートでもしっかりバスケットをしないといけないです」

こう語るように髙田も決勝は、これまでとは違って一筋縄ではいかないことは分かっている。中国の大黒柱は205cmのハン・シュで今大会はここまで平均21.0得点、12.3リバウンド、2.8ブロックを記録している。高さに加え、要所で3ポイントシュートを決めている点も脅威だ。

ニュージーランド戦での日本は、相手のインサイドに対して「人数、ローテーションでカバーする。まずは簡単にボールを持たせないようにカバーした上で、2人目が仕掛けていく。先手を打って守れたと思います」と恩塚ヘッドコーチが語ったようにチームでしっかり守れていた。中国に対しても同じように、いかに質の高いチームディフェンスを遂行できるかが鍵となる。

ただ、やはりまずは髙田がハンに対して個で粘り強くプレッシャーをかけ続けて余裕を奪うことができるかは、チームで守り切るためにも重要となってくる。そして、髙田が持ち味の1つである走力でハンを振り切り、ブレイクを決めるようになれば日本は主導権を握ることができる。やはり日本の6連覇には「優勝することしか考えていないです」と語る髙田が、攻守で躍動することが欠かせない。