ジョルディ・フェルナンデス

過去に何度もヘッドコーチ候補に名前が挙がる名アシスタントコーチ

男子カナダ代表は今夏のワールドカップで上位進出が期待される強豪国だ。そのカナダだが、セブンティシクサーズの新ヘッドコーチに就任したニック・ナースからキングスのアシスタントを務めるジョルディ・フェルナンデスにヘッドコーチが変わることが明らかになった。

ナースは2019年からラプターズのヘッドコーチとの兼業でカナダ代表を率いていたが、今シーズン終了後にラプターズから解任された。2000年以来となる五輪出場へカナダ代表を導くことが期待されていたナースだが、今回の決定はある程度、予想できていたとも言える。

何故ならカナダ代表とラプターズの結びつきは強いからだ。代表チームが練習を行うOVOアスレチックセンターは普段、ラプターズが練習施設として使用している。カナダバスケットボール協会は、ナースがラプターズから解任された後も引き続きヘッドコーチを任せたい意向を示していたが、本人としてはやりにくい環境であったことは間違いない。また、シクサーズで新たなスタートを切ることになり、オフシーズンはそちらに専念したいとも考えられる。

新たにカナダ代表を率いるスペイン出身のフェルナンデスは、2016-17シーズンから21-22シーズンまでナゲッツでアシスタントを務め、今シーズンからキングスに加入した。これまで何度もヘッドコーチ候補に名前が挙がっており、今オフもラプターズ、サンズ、バックスの新指揮官探しにおいて面談を受けている。アシスタントの中でもNBA屈指の実力者として評価されている人物だ。また、代表チームの経験でいうと、かつてナイジェリア代表のアシスタントを務めていた。

NBAで活躍するカナダ出身の選手は年々増加している。昨年5月に発表されたワールドカップ、来年のパリ五輪への参加をコミットする14名のコアメンバーにはナゲッツのジャマール・マレー、サンダーのシェイ・ギルジャス・アレクサンダーという強力バックコート陣が名前を連ね、他にもRJ・バレット(ニックス)、ルーゲンツ・ドート(サンダー)、ドワイト・パウエル(マーベリックス)、ディロン・ブルックス(グリズリーズ)、ケリー・オリニク(ジャズ)などもいる。彼らの内、何人が実際にワールドカップに参加するのかは不透明だが、上位進出を狙えるタレント力を持っているのは確かだ。ファルナンデスの手腕と合わせ、引き続きカナダは注目すべきチームだ。