NBA史上2人目となる欧州生まれのヘッドコーチに

ラプターズの新ヘッドコーチとなるダーコ・ラジャコビッチが就任会見を行った。現在44歳でセルビア出身のラジャコビッチは2018-19シーズンにサンズで指揮を執ったイゴール・ココスコフに次ぐNBA史上2人目の欧州生まれのヘッドコーチとなる。

ラジャコビッチは10代の頃から指導者のキャリアをスタートさせた叩き上げだ。そして10年前、ラジャコビッチは北米以外では初のGリーグヘッドコーチとしてサンダー傘下のタルサ・66ersを率いた。ここでの実績が評価され、2014年にサンダーのアシスタントコーチに就任すると5シーズンに渡って在籍。その後、サンズでの1シーズンを挟み、今シーズンまでの3年間はグリズリーズのアシスタントコーチを務めてきた。

「トロントラプターズという王者クラスの組織を代表できることは、素晴らしい特権です」と語るラジャコビッチは、自身のコーチング哲学を次のように語った。「コーチを始めた時から、私にとって一番の楽しみは選手たちの成長していく姿を見守ることです。すべての試合に勝ちたい。ただ、チームであり、そこに携わる人々が成長していくことが私にとって最大の栄誉です」

また、選手とは一線を引く関係性を持つヘッドコーチもいるが、ラジャコビッチはチームをまとめていく上で個々の選手と深い人間関係を作っていきたいと強調する。「私は1人の人間として選手たちと接していきたい。一個人として本当に気にかけて、繋がりを持ちたいということを選手たちには知ってほしい。グループとして団結することで、もう1つ上のレベルに到達できると強く信じています」

球団代表を務めるマサイ・ウジリは次のようにラジャコビッチへの期待を語る。「多くの素晴らしい候補者がいました。今のチームがどの段階にいて、どのような道に進んでいきたいのかを考えると、彼の知識や経験を得られることに興奮しています。ヘッドコーチ選定のプロセスは長く、大変なものでしたが、私たちは正しい人物を得られたと確信しています」

今オフ、ラプターズはフレッド・バンブリートがプレーヤーオプションを破棄してフリーエージェントになることが予想されている。大黒柱を引き止めるのか、世代交代を図るのか、大きな分かれ目を迎える中、ラジャコビッチはどんなロスターを作るのか楽しみだ。