ジャマール・マレー

アーロン・ゴードン、ブルース・ブラウンの活躍で完勝を収める

NBAファイナル第4戦、攻守の噛み合ったナゲッツが第2クォーター途中からリードを保ち続けて敵地で連勝を挙げ、通算成績を3勝1敗としてNBA優勝に王手を掛けた。

同じ顔合わせでの4試合目、両チームとも相手の攻め手を分かって対応するため、ディフェンスが上回る様子見の立ち上がりとなった。それでも次第に優勢となったのはナゲッツだった。ヒートのスイッチディフェンスに対してジャマール・マレーとニコラ・ヨキッチのピック&ロールを起点にミスマッチを作り出しては、有利な形で得点を重ねていく。

第1クォーターはジミー・バトラーがブザービーターとなるタフショットを沈め、第2クォーターもラスト1分でカイル・ラウリーのフローターにバム・アデバヨのダンクと連続得点を決めて、ヒートも食らい付いたのだが、自分たちの形を作り出して快適にプレーできているのはナゲッツという印象だった。

前半は55-51でナゲッツがわずかにリード。それでも後半が始まって4分半でナゲッツがリードを2桁に広げる。マレーとヨキッチによる多彩な攻めにオールスイッチで対応するヒートは、個々が集中してディフェンスで粘るのだが、ナゲッツの守備を崩せない。3ポイントシュートも当たりが来ず、一度2桁のビハインドを背負うと挽回はかなり苦しくなった。

それでも、86-73とナゲッツの13点リードで迎えた第4クォーターの2分が過ぎたところで、試合展開をひっくり返しかねないアクシデントが起こる。ヨキッチが際どいプレーで立て続けに2つのファウルを取られ、個人5つ目となりベンチに下がることになったのだ。

ヒートの第4クォーターの爆発力は実証済み。ヨキッチがベンチに下がる前からヒートは集中を引き締め直し、攻守のギアを一段階上げて反撃体勢に入っており、さらにヨキッチのファウルトラブルでヒートは一気に勢い付いた。残り8分42秒の時点でバトラーのフリースローで5点差と、ナゲッツを『射程圏内』にとらえている。

ただ、ここでナゲッツも精神的な成熟を見せる。これまでのチームはヒートに追い上げられると慌ててリズムを崩し、一気に反撃の波に飲み込まれていたが、マレー、ブルース・ブラウン、ケンテイビアス・コールドウェル・ポープ、ジェフ・グリーン、アーロン・ゴードンのラインナップはディフェンスを引き締めてイージーシュートのチャンスを与えず、攻めでは24秒をしっかり使うことを優先しつつも、良いシュートチャンスを作り出してヒートの勢いを止め、逆に押し返す。

ヒートはオフェンスを活性化させるために投入したダンカン・ロビンソンが得点でもアシストでも違いを生み出していたが、ナゲッツは高さと強さでディフェンスの難となるロビンソンを狙い撃ちにし、やられてもやり返した。

こうして残り4分、96-87とリードを保ったままヨキッチがコートに戻る。この時点でヒートはもう打つ手がなく、ファンも帰り支度を始めていた。コートには戻ったがファウルトラブルには変わりないヨキッチが無理をするまでもなく、ナゲッツはブラウンがミスマッチを突いてシュートを決め、そうでなくてもフリースローをもぎ取り、『山場のない終盤』を演出した。こうしてナゲッツが、最終スコア108-95で完勝を収めている。

ヨキッチが23得点12リバウンド4アシスト、マレーが15得点12アシストを記録。両エースは第3戦ほど得点を量産したわけではないが、ゴードンがゲームハイの27得点、ブラウンも第4クォーターに貴重な得点を重ねて21得点とバランスの良さが光った。