ゲイブ・ビンセント

「チームの誰もが自分の役割を理解して受け入れる必要がある」

今シーズンのNBAにおいて、ポストシーズンの話題の中心となっているのは、第8シードからファイナルに到達したヒートだ。この勢いはファイナルになっても衰えることなく、アウェーで行われた最初の2試合を1勝1敗で乗り切り、ホームコートアドバンテージを得た状態で第3戦を迎える。

ヒートの躍進を支えているのはジミー・バトラーとバム・アデバヨの攻守の柱2人だ。しかし、ゲイブ・ビンセントやケイレブ・マーティン、ダンカン・ロビンソンといった脇役たちが日替わりヒーローとして次々にステップアップしたことが、この快進撃を支えてきた

ウォリアーズのスティーブ・カーヘッドコーチも、このヒートの総合力を絶賛する1人だ。ドレイモンド・グリーンのポッドキャスト番組に出演したカーヘッドコーチは、このようにヒートの面々の献身的な姿勢について言及した。「彼らのようなメンタリティはシーズンを通して作り上げないといけない。チームの誰もが自分の役割を理解して受け入れる必要がある。ケイレブ・マーティンは、ボストンとのカンファレンスファイナルでスターだった。ファイナルの最初の2試合はオフェンス面で大きな働きを見せていなかったが、第2戦の第4クォーターには貴重な3ポイントシュートを決めた。マイアミでは『今日の俺はプレーしない』とか『俺をあまり使わない』とかベンチでぼやいている選手が誰もいない。彼らは勝つことしか考えていないんだ」

さらにカーは次のようにヒートのメンタリティを称える。「私たちのグループもこの考えを持っている。これがチャンピオンシップメンタリティで、すべての選手が勝利を目指し、他のことは気にしない。ロッカールームに戻って『俺はもっとプレーすべきだ』なんて誰も言わない。チャンピオンになるチームは、みんながこのメンタリティを持っているから、コーチたちの決断はとてもシンプルになる。自分の直感を信じて、良いプレーをしている選手を選ぶだけでいいからね」

今回、カーがここまでヒートについて語ったのは驚きだが、それ以上に今オフ、プレーヤーオプションを行使してフリーエージェントになることが濃厚なグリーンの番組に出演したことも意外だった。シーズン最後の公式会見で、カーは「グリーンがもし戻ってこなかったら私たちは優勝候補ではなくなる」と残留を切望していた。いかにグリーンの存在を重要視しており、2人の信頼関係が強固であるかが、今回の番組出演でより明らかになった。