マイケル・ポーターJr.

「このコアメンバーを信じてキープしてくれた人たちに敬意を表したい」

NBAファイナル初戦はナゲッツの完勝に終わった。ニコラ・ヨキッチとジャマール・マレーに続く『第3の矢』であるマイケル・ポーターJr.は、この試合でフィールドゴール16本中5本成功、得意の3ポイントシュートは11本中わずか2本しか決まらず、シュートタッチの悪さを改善できず得点は14に終わっている。

それでも今シーズン最長となる43分のプレータイムを得て、試合を通じて誰よりもアグレッシブに動き回り、バム・アデバヨと並んでゲームハイの13リバウンド、さらには抜かれてもすぐさま反転して背後からシュートを叩き落すチェイスダウンブロックを2つ記録している。コートに立っていた時間帯の得失点差+20は両チームを通じてベストの数字だ。

「良い感じでシュートを打てていたから、それで大丈夫。パーセンテージはさして心配していない。僕にとってはシュートを打ち続けることが大事だからね。でもこの期間も自分のシュートに取り組んでいくよ」とポーターJr.は語る。

「ヒートのゾーンディフェンスに少し苦戦したけど、初めて見るディフェンスに対して試合中にすぐアジャストするのは簡単じゃない。それに僕ら自身がシュートを外したのもあると思う。とは言えこれがプレーオフであって、映像を見て相手のゾーンを研究して、もうちょっと上手く攻められる方法を探すよ」

2019-20シーズン、『バブル』でのプレーオフでナゲッツはカンファレンスファイナルまで勝ち進むもレイカーズに敗れた。若いチームはその後も優勝を狙えるチームであり続けるはずだったが、ジャマール・マレーが膝、ポーターJr.が腰のケガで手術をすることになり、2シーズンは戦力を落とした。ようやく役者が揃った今シーズン、前半戦のポーターJr.は腰の状態を確かめながらプレーしていたが、その後に調子を上げて今は身体がよく動いている。

「まだ回復の途中なんだけど、時間とともに運動能力を取り戻している。シーズンのこの時期には誰だってコンディションが万全とはいかないもので、試合も激しくなるしプレータイムも伸びる今は大変ではあるんだけど、腰の状態はどんどん良くなっているよ。このオフにはシーズン中にはできない治療をまたやる予定だから、もっと良くなると思う」

マレーとポーターJr.のケガというアクシデントがなければ、ナゲッツのNBAファイナル進出は初ではなくて2度目、3度目だったかもしれない。「ファイナル進出の可能性があるチームはたくさんある。でも僕はこのコアメンバーが揃った時、つまりアーロン(ゴードン)をトレードで獲得してからずっと、ウチにはその力があると信じていた。『バブル』の時から潜在能力は感じていたよ」

「レイカーズは本当に良いチームで、ウチはそこで敗れたけど、僕らはまだ若いチームで、このメンバーを数年間キープすればまたここに戻って来れることは分かっていた。このコアメンバーを信じてキープしてくれた人たちに敬意を表したい。そして実際にここに来ることができて、今はワクワクしているんだ」

ヨキッチ、マレー、ポーターJr.を中心に、ナゲッツの全員がアクシデントで結果を出せなかった過去2シーズンの分まで、強い気持ちを持ってこのNBAファイナルに臨んでいる。

油断は禁物で、指揮官のマイケル・マローンは「我々はまだ何も成し遂げていない。第1戦の出来にも私は納得してない。(マックス)ストゥルースが9本中0本、ダンカン・ロビンソンが5本中1本みたいな3ポイントシュートの入らない試合がもう一度あると思ったら大間違いだ」と選手たちの気を引き締めている。だが、それを言うながらポーターJr.の3ポイントシュートが11本中2本しか決まらないような試合も、もうないはずだ。