3x3女子日本代表

判断のスピード、攻守の切り替えの意識のスピードで上回る

3人制バスケ『3×3』のワールドカップ、男子日本代表はスイス代表、オランダ代表に連敗スタートとなった。女子日本代表も初戦のオーストラリア戦では2点シュートを警戒されて打たせてもらえず、相手守備の狙いを外すドライブからのレイアップやミドルジャンパーで得点するも、1点シュートでの攻防となれば高さと強さのあるオーストラリアの優位を崩せず、11-22の完敗を喫した。

その2時間後に行われたドイツ戦も、序盤は同じく2点シュートを警戒されてロースコアの展開となったが、どんなマッチアップになっても高さでは不利な状況で、スピードでその不利を埋めて食らい付く。単純な動きのスピード以上に判断のスピード、特に守備から攻撃への意識の切り替えが早く、点を取られてもすぐリスタートし、コートに立つ3人が意識を揃えて連動することで最初の一歩をドイツより早く踏み出した。単純な高さでやられるシーンはあっても、全員がボックスアウトの意識を強く持ち、リバウンドでも互角に渡り合う。

ビハインドを背負いながらも点差を広げられることなく食らい付く時間帯が続いた残り3分、ドイツのチームファウルが7に到達(7回目を超えるファウルには、相手にフリースロー2本が与えられる)。ここからドイツはフィジカルを生かしたディフェンスの強度を出せなくなり、さらに試合開始から日本のスピードに振り回され続けたことで足が動かなくなってきた。

これに対して日本代表はさらにスピードを上げる。それまでは体格差に苦戦していた江村優有が相手を振り切るようになって得点を連発。ドライブで抜かれまいと相手ディフェンスの重心が下がると、これまで打てなかった2点シュートが決まり始めた。19-20で迎えた残り1分15秒、右から左へとボールを振る江村のフェイントに相手はついてこれない。こうしてズレを作り出した江村が2点シュートを射抜いて21-20、逆転のノックアウト勝利を収めた。

ドイツは1点シュートを20本中16本と高確率で決めたが、2点シュートは試投数3本で成功なし。高さで日本を封じ込めてきたが、最後にガス欠となった。日本は1点シュートの試投数が19本で2点シュートは8本と、思うように2点シュートが打てなかったが、8本中4本と高確率で決めた。江村は13得点を記録。東京オリンピックで恐るべきオフェンス力を見せて世界を驚かせた桜花学園の先輩、山本麻衣に続いて注目を集める存在になりそうだ。

次は6月2日、男子日本代表はハンガリーとモンゴルと、女子日本代表はポーランドとエジプトと対戦する。

江村優有

男子日本代表メンバー

佐土原遼 F/192cm/広島ドラゴンフライズ
トーマス・ケネディ F/201cm/茨城ロボッツ
保岡龍斗 G/188cm/秋田ノーザンハピネッツ/ALPHAS.EXE
落合知也 F/195cm/ALPHAS.EXE
(予備登録選手)
小澤崚 G/176cm/ALPHAS.EXE
星川堅信 F/190cm/早稲田大学/UTSUNOMIYA BREX.EXE

女子日本代表メンバー

江村優有 G/162cm/早稲田大学
三田七南 F/179cm/ENEOSサンフラワーズ
高田静 G/168/ENEOSサンフラワーズ
中田珠未 C/182/ENEOSサンフラワーズ
(予備登録選手)
高橋未来 G/169cm/デンソー アイリス
山口奈々花 F/181cm/アイシン ウィングス