集中を切らしたヒートのミスに付け込み、敵地で116-99と快勝
苛烈なまでのパフォーマンスで第8シードから勝ち上がってきたヒートにとって、3勝0敗で迎えたカンファレンスファイナル第4戦は少し気が抜けてしまったのだろう。前半は互角以上の戦いを演じたが、後半になると時間が進むにつれて心身ともにスタミナ切れを起こした。
これまでどんな相手にも負けなかったインテンシティの強さでセルティックスに上回られ、追い付こうとギアを上げるも身体と気持ちが噛み合わず、気持ちばかりが急いてイージーなターンオーバーが続く。いったんリズムが崩れると立て直せず、第3クォーター序盤に逆転を許したあとはズルズルと後退していった。
この日のセルティックスには隙がなく、相手のミスに乗じて着実にリードを広げていった。第4クォーター残り9分40秒のタイムアウトを機に12-0のラン。残り6分に100-83とすると、スウィープを期待して会場に来ていたヒートファンが帰り始める。こうなるとヒートに押し返す気力は残っていなかった。最終スコア116-99でセルティックスが完勝を収めている。
ヒートはアシスト18に対してターンオーバーが15。パスが回らず良いチャンスが作れない状況で、これまでオフェンスの爆発力となっていた3ポイントシュートが32本中8本(成功率25.0%)と決まらず。エースのジミー・バトラーはシュートタッチがそれほど良くない中で粘り強くフリースローを得て29得点を挙げたものの、チームオフェンスは最後まで機能しなかった。
一方でセルティックスはジェイソン・テイタムの33得点を筆頭に先発全員、ベンチから出たグラント・ウィリアムズも2桁得点を記録。チームで8スティールに8ブロック、ヒートのパスワークを分断するディフェンスが効いて0勝3敗から一矢報いてボストンに戻ることになった。
テイタムは言う。「僕らは0勝3敗で、自分たちに過度なプレッシャーは掛けたくなかった。目の前の試合にただ集中して、ここから4つ勝つと考えるのではなく、ここでシーズンを終わらせないようにとチャレンジしていくよ」
プレーオフで0勝3敗から逆転でシリーズを突破したチームはいない。ナゲッツにスウィープされたレイカーズは、NBAでその150番目のチームとなった。そう考えるとこの1勝で大きな期待を抱くわけにはいかないが、負ければ終わりの敵地でのゲームで、ひとまずプライドを示すことはできた。テイタムの言う通り、セルティックスは最後まで無欲で戦い続けるつもりだ。