レブロンも絶賛「彼はプレーの前に何が起こるのか予測できている」
現地5月22日、ナゲッツはレイカーズとのカンファレンス第4戦を113-111で制し、通算4勝0敗のスウィープでチーム史上初のNBAファイナル進出を決めた。カンファレンスファイナルMVPには、この試合で30得点14リバウンド13アシストを記録し、シリーズ通算4試合で27.8得点、14.5リバウンド、11.8アシストの平均トリプル・ダブルを達成したニコラ・ヨキッチが受賞している。
ヨキッチは2021年、2022年と2度にわたってリーグMVPを受賞しているNBAを代表するトップ選手だが、スモールマーケットのデンバーを拠点とするナゲッツにいることで実績に比べると露出も少なく過小評価されてきた。だが、今回リーグ屈指の人気チームであるレイカーズを相手に圧倒的なプレーを見せたことで、全米に自身の価値を証明した。
だからこそナゲッツのマイケル・マローンヘッドコーチは、ヨキッチのMVP受賞についてこれまでのメディアの露出の低さへの皮肉を交えてこう語っている。「私にとって彼は証明するものは何もなかった。なぜなら、すでに彼が偉大な選手であることは分かっているからね。今回、彼は全米の人々に実在していることを示した。彼のやってきたこと、2度のレギュラーシーズンMVPは本当だ。そして彼のトリプル・ダブルはリアルなんだよ」
一方、ヨキッチ本人は「MVPについてこれ以上考えることはない」と、いつも通りの素っ気ない対応に留まった。それはチームファーストで自身を全く特別視していないからであり、この考えは試合後のコート内で行われたMVP発表の際のコメントが端的に物語っている。「このMVPトロフィーは、チームメート全員でもらうべきものだ。チームメートとコーチのおかげで、僕がこの賞をもらえるだけ。僕はみんなが平等な中で、最初の選手にすぎない。僕たちがファイナル進出という大きなことを成し遂げられてハッピーだよ」
ちなみにマローンヘッドコーチだけでなく、レブロン・ジェームズも昔からヨキッチが偉大な選手であることを認めている。そしてヨキッチの優れた部分として彼の頭の良さを強調する。「彼はプレーの前に何が起こるのか予測できている。このリーグでも多くの選手はそれができていない。みんな彼のスタッツについて熱心だけど、(頭を指して)彼のこの部分について話す人はあまりいない。多くの人々はそれを理解できていないからだろう。ただ、僕は分かっている。彼は特別だよ」
まだ、ファイナルの相手は決まっていないが、ヨキッチが平均トリプル・ダブルの現在の勢いをキープできるのであれば、ファイナルでもナゲッツの優位は揺るがないはずだ。