森井健太

「リバウンドが強いと分かっていながら取られてしまった」

横浜ビー・コルセアーズはチャンピオンシップのセミファイナル初戦で琉球ゴールデンキングスに70-86で敗れた。横浜BCはゴール下のシュートを決めきれず第1クォーターで11-20と出遅れてしまったが、河村勇輝の6連続得点で流れを変えると、得意のトランジションが出るようになって43-48と互角の展開に持ち込んで前半を終えた。そして第3クォーターも拮抗したが、第4クォーターは琉球の圧力に屈し、このクォーターで11-23と突き放されて初戦を落とした。横浜BCのチームリーダーである森井健太は、このように試合を振り返る。

「ビーコルとして初めてのセミファイナルで本当にチャレンジャーとして臨もうと、この1週間取り組んできました。『出だしの部分が勝負だよ』と話していて、今日の入りは少しターンオーバーが増えたり、いろいろなことがありましたが、前半のうちにカムバックできたのはこれまでの経験が生きました。ただ、試合を通して18ターンオーバーで、これでは勝てません。琉球さんはリバウンドが強いと分かっていながら、取られてしまったのは改善しないといけないです」

森井が言及したように、横浜BCはターンオーバーを18も献上すると、琉球の持ち味であるオフェンスリバウンドも止めきれなかった。ターンオーバーからの得点で11-20、セカンドチャンスポイントで6-18と、自分たちのやるべきことを遂行できなかった。

そして大きな敗因となった18ターンオーバーの要因を森井はこう振り返る。「フィジカルな戦いとなることは、試合前にも話をしていました。相手のフィジカルに対して弱気になる、引いてしまう場面が見られたところは残念でした」

また、琉球に26本中12本成功、成功率46.2%と高確率で3ポイントシュートを決められるなどディフェンスが崩れてしまったのも、オフェンスが影響していると続ける。

「ターンオーバーから良い形でディフェンスに入れなかったです。ハーフコートディフェンスは自分たちが今まで積み上げてきたモノをある程度はできていました。ただ、ターンオーバー献上からの不利な状況からの守りでは、相手に良いシューターが揃っていてイージーな3ポイントシュートを決められてしまう。それでは良いリズムになっていかないです。まずはオフェンスの終わり方をしっかりすることが、良いディフェンスに繋がっていくと思います」

森井健太

「よりフィジカルなディフェンスを自分が体現していきたい」

横浜BCのエースである河村は、レギュラーシーズン最終戦に負った負傷の影響で先週のクォーターファイナルに続き今回もプレータイムが制限されている。また、「今のプレースタイルではやれないことがあります」と河村が語るように、本来のプレーを出せない状況にある。実際、一番の強みであるスピードを生かしたドライブをほとんど仕掛けることはなく、外からのプルアップシュートにプレー選択が偏っていた。

このように横浜BCにとって本来のオフェンス力を発揮するのが難しい状況になっているからこそ、チームの根幹である堅守を40分間続けることが勝利には欠かせない。そしてチームリーダーの森井は、「よりフィジカルなディフェンスを自分が体現していきたい」と闘志を燃やし、強い決意を持って今日の第2戦に臨む。

「ミスが起きてしまった時、自分が率先して味方を鼓舞できれば周りもついてくる。そこは明日もブレずに戦いたいです。今日、何点差で負けようが明日、火曜日に勝てれば次に進める。強い気持ちをどれだけ出せるかの勝負になります」

セミファイナルの会場は沖縄アリーナで、8.000人を超える琉球ファンが声援を送り続ける完全アウェーの状況だ。その中でも横浜BCファンの声援は確かに選手たちに届いていると、青木勇人ヘッドコーチは強調する。「琉球のホームは素晴らしい雰囲気ですが、横浜ブースターの声も自分たちを最後まで押してくれています。皆さんから明日、絶対に負けられないという気持ちを受け取りました」

横浜BCはファンの想いも力にして、今日の試合をなんとしても勝たなければならない。そのためには、森井が攻守に渡ってチームを牽引し、プレーの強度を高める起爆剤となることが必要だ。