髙田真希

恩塚ヘッドコーチの目指すスタイルが形になるかどうかは「自分たち次第」

女子日本代表はアジアカップ2023に向けて5月11日から第1次強化合宿をスタートさせ、先日にはカナダ遠征行きのメンバー15名が発表された。

メンバーに名を連ねたチーム最年長の髙田は「まずは恩塚(亨)ヘッドコーチが求めていることをしっかりやりつつリーダーシップを取る。やろうとしているバスケをみんなで理解しようとしている段階」と、第1次強化合宿時点で語っていた。

恩塚ヘッドコーチは 昨年のワールドカップまでと同様に 『40分間、世界一のアジリティを発揮し抜く』、『カウンターバスケットボール』というテーマを掲げている。そして、そこに行き着くためのプロセスの解像度を高め、選手たちが自らの力を発揮できるようなシステムを構築していく作業を進めている。髙田はこれまでの変化と手応えについて次のようにコメントした。

「今はオフェンスの入り方など今までと違った部分を確認したり、練習を重ねている段階ですが、手応えを少しずつ感じています。これからコミニケーションを取りながら、どんどん自分たちのモノにしていけたらいいなと思います。また、オフェンスシステムが流れが止まらずに相手にアジャストされても次々と選択肢が生まれるようなモノになったので、いかに自分たちがその場の適応力を発揮できるかは一つのポイントになります。実戦でディフェンスに対して自分たちが動きをつけていくにはもう少し時間がかかると思いますけど、(うまくいくかどうかは)自分たち次第だと思うので、まずはしっかり形を覚えて、練習の中で精度を上げていきたいです」

そして、「今やっていることを実戦で試すのが楽しみです」と続けた。

髙田真希

「チームが困った時に、自分の判断でプレーしてもいいんだよと伝えたい」

恩塚ヘッドコーチは今年度の強化活動に際して新しい試みを設けた。『ポジションリーダー』と名付けられた、チーム内のコミュニケーションの回遊を高めることを目的とした存在だ。ガードは町田瑠唯、フォワードはキャプテンの林咲希(富士通レッドウェーブ)、そしてセンターは髙田が務めている。

「『もうちょっとこうしたい』、『こうしたらもっといいのに』、『ここがちょっと難しい』ということはプレーをしていたら必ず出てくるものです。そういったことを聞き取って、ヘッドコーチやキャプテンに伝えたり、他のポジションの人と話し合ったりすることが役割かなと思っています」。髙田はポジションリーダーとして果たしたい役割をこのように説明し、「決められた動きをするのももちろんですが、チームが困った時や崩れてしまった時にしっかり動けるところが自分の良さの一つ。そういうことをしていいんだよっていうことを言葉やプレーで見せていけたらいいなと思います」と、恩塚ヘッドコーチが目指すフレキシブルなバスケの伝道師としての役割についても口にした。

日本代表は来年に迫ったパリオリンピックに向けて、次のようなロードマップを引いている。アジアカップで上位4チーム以内に入ってオリンピック世界最終予選の出場権を獲得し、来年2月に開催されるこの大会でグループ上位3チームに入ること。パリ五輪への抱負を問われた高田は「出場したい気持ちはありますし、そこに向けて自分もしっかりパフォーマンスしたいですけど、オリンピックはそう簡単に出られるものではありません。まずはアジアカップで優勝するという目標に向けて頑張りたいし、そこまでに東京オリンピック以上のパフォーマンスを出せるように頑張りたいです」と話した。

「3ポイントシュートやそこからのドライブは国際大会でもできています。年齢は重ねていますけど、プレーの質を落とさないよう、むしろ上げていかないといけないと思っています。今やっていることを実戦で試すのが楽しみです」。チーム最年長の33歳は、新たな目標に向けて引き続き自身をアップデートし続けていく。