馬場雄大が語るバスケ部時代vol.1「成長する骨の痛みと戦いつつ楽しんだミニ時代」

2018/12/24
Bリーグ&国内
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馬場雄大

文=松原貴実 写真=野口岳彦

『バスケット・グラフィティ』は、今バスケットボールを頑張っている若い選手たちに向けて、トップレベルの選手たちが部活生時代の思い出を語るインタビュー連載。華やかな舞台で活躍するプロ選手にも、かつては知られざる努力を積み重ねる部活生時代があった。当時の努力やバスケに打ち込んだ気持ち、上達のコツを知ることは、きっと今のバスケットボール・プレーヤーにもプラスになるはずだ。

PROFILE 馬場雄大(ばば・ゆうだい)
1995年11月7日生まれ、富山県出身。筑波大を入学からインカレ3連覇に導いたオールラウンダーは、4年次に現役大学生としてアルバルク東京に加入してプロに転向。同時期から日本代表にも定着し、日本バスケの未来をリードする存在となっている。

「飛び抜けて得意だったわけじゃないと思います」

よく「小さい頃はどんな子でしたか?」と聞かれるんですが、自分ではよく分からないです。生まれたのは富山市ですが、父が転勤族だったのですぐに新潟に引っ越して、そのあと埼玉の草加、越谷と移り住んだせいか、小さい時の記憶が薄いんです。ただ、なんとなく覚えているのはじっとしているのが苦手だったこと。落ち着きがなくて、家の中でも走り回っていたような気がします。けど、父の膝の上にいるときだけはじっとしている子でした。

ご存知の方も多いと思いますが、うちの父は元バスケットボール選手(馬場敏春、法政大学→三井生命)で、身長も2mあって足も長い。胡坐をかくとちょうど良い具合に僕の身体がすっぽり入るわけです。だから、父が晩酌するときはいつもその胡坐の中にすっぽり入って、おつまみのイカなんかを一緒に食べていました(笑)。きっと子供心にも安心できる、居心地が良い場所だったんだと思います。

バスケットボールに触れるようになったのは幼稚園の年中かなあ。引っ越した草加で父がミニバスのコーチをやることになって、3つ上の姉もそのチームに入ったんですね。だから、練習がある日は僕も必ずついて行って体育館でボール遊びをしていました。思えば、父から「バスケットをやれ」と言われたことは一度もないんです。でも、野球とかサッカーとか他のスポーツをやろうと考えたこともなかった。それぐらいバスケットが身近にあったんだと思います。

ミニバスのチームに入ったのは越谷小学校に入学した時。3年生からは転校した富山の奥田ミニバスに入りました。「小さい時からバスケットが得意だったのですか?」というのもよくされる質問ですが、これも自分ではよく分かりません。分からないぐらいだから飛び抜けて得意だったわけじゃないと思います。

馬場雄大

「毎日成長する骨の痛みと戦いながらバスケ」

ただ走るのは得意でした。足はかなり速かったです。遊びで競走するときは横目で隣りの子を見て走ったり、わざわざゴールの手前で止まってみんなを待ってたり。そういうことをする子供でした(笑)。いつもおちゃらけて笑いを取ろうとか、面白いことを言って目立とうとかいう意識はなかったけど、楽しいことが大好きだったので。自分で言うのもなんですが、友達が自然と寄って来てくれるみたいなところはあったと思います。

で、バスケの話に戻すと、6年生で168cmぐらいまで伸びてセンターをやってたんですが、自分が得点するのと同じぐらいパスを出すのが好きでした。リバウンドを取ると前を走ってるガードの子にサッとパスを出す。それを見ていた母は今でも「小学生の頃のあんたは周りを生かす思いやりのある子だった」って言ってます(笑)。

ただ、その頃は猛烈な成長痛があって、両足をテーピングで固めないと動けないほどでした。とにかくもうめちゃくちゃ痛いんですよ。毎日成長する骨の痛みと戦いながらバスケをやってた気がします。

馬場雄大

「全国大会でボコボコにされたのも良い経験」

考えてもみなかった全ミニ(全国ミニバスケットボール大会)出場することになったのもその年です。当時富山県には能町アストロボーイズという北信越大会でも3位になるような強豪チームがいて、県大会2回戦で当たることになった僕たちはそこで終わると思っていました。ところが、どこでどうなったのか、そのアストロボーイズに1点差で勝っちゃったんですね。誰が驚いたって自分たちが一番驚きました(笑)。

驚いてるうちに勢いがついたのか、そのままポンポンと勝ち進んで、決勝ではアストロボーイズに次ぐ強豪、定塚ミニを破って優勝。まさか自分たちが勝てるなんて思ってもみなかったから、優勝したときはみんなポカーンとしてました。普通は優勝したらワァーと飛び上がって喜んだりするじゃないですか。けど僕たちは「えっ、なに? 俺たち勝っちゃったの?」みたいな(笑)。

そんな感じで出場した全国大会では案の定ボコボコにされましたけど、思えばそれもまた良い経験でしたね。弱小チームだって頑張ればチャンスはある! だけど、上には上がある! 小6の自分がそんなふうに考えていたかどうかは分かりませんが、両足をテーピングでガチガチに固めて笑ってる当時の写真を見ると、なんとも言えない懐かしい気持ちがこみあげてきます。