リーグ最高勝率を記録した千葉J、 初のチャンピオンシップ出場の横浜BC

千葉ジェッツ(自地区1位-3地区間1位/53勝7敗/東1位)vs広島ドラゴンフライズ(ワイルドカード下位/41勝18敗/西4位)

「ROAD TO THE TRIPLE CROWN」を合言葉に、天皇杯と東地区の制覇に続きリーグ制覇の三冠を目指す千葉J。誰でも得点できるオフェンスと強固なディフェンスでリーグ最高勝率を記録し、2シーズンぶりの優勝に向け視界良好だ。的が絞りづらい広島のオフェンスに対して、どこのポジションでも守れるヴィック・ローや外国籍選手にも引けを取らない原修太など、ユーティリティプレーヤーの奮闘が必須と言える。小川麻斗や米山ジャバ偉生といった初めてチャンピオンシップを経験する若手選手の覚醒にも期待したい。

爆発的なオフェンス力を武器に初のチャンピオンシップ進出を遂げた広島。シーズンが進むにつれて徐々にディフェンス力も磨きがかかった感があり、その仕上がりに期待だ。シーズン序盤の11月の対戦では、千葉Jのフィールドゴール成功率を下げて勝利しているだけに、いかにディフェンスで奮起できるかが勝負のカギとなるだろう。千葉Jにとって初対戦となるカイ・ソットでアドバンテージを取って試合を優位に進めたいところ。辻直人やドウェイン・エバンスといったチャンピオンシップを知る選手たちの経験値がどう生きるかにも注目だ。

島根スサノオマジック(自地区2位-3地区間1位/48勝12敗/西2位)vsアルバルク東京(自地区2位-3地区間2位/42勝18敗/東2位)

今シーズン同一カードで連敗することなく勝ち星を積み上げてきた島根。西地区2位ながら勝率は琉球ゴールデンキングスと同率で、昨シーズンからの積み上げが成功したと言っていいだろう。シーズン終盤から欠場が続いているニカ・ウィリアムスが出場できないとなると、A東京の強力なインサイド陣相手に痛手となることは間違いない。それでも、シーズンを通じて好調だったペリン・ビュフォードや安藤誓哉でアドバンテージは十分に取れる。昨シーズンのチャンピオンシップや今年2月の対戦で大活躍したリード・トラビスが再び『アルバルクキラー』となれるか。

主力選手のケガが相次ぎ、常に万全なチーム状況ではなかったものの、ホーム19連勝の記録を作るなどシーズンを通じてチーム力を高めてきたA東京。田中大貴の欠場が続く中、安藤周人がプレーメーカーとしてもスコアラーとしても大きく成長した。バックコート陣の奮闘も重要となるが、島根に対してはインサイドでアドバンテージを取って主導権を握りたいところ。特にリバウンドやインサイドディフェンスが生命線となってくるだろう。昨シーズンも島根のホームでクォーターファイナルを戦い敗れているため、1年越しでリベンジの舞台が整った。

Bリーグ

川崎ブレイブサンダース(自地区1位-3地区間3位/40勝20敗/中1位)vs横浜ビー・コルセアーズ(自地区2位-3地区間3位/33勝27敗/中2位)

オフェンスの中心であるマット・ジャニングが長期離脱したものの、ニック・ファジーカスを中心としたオフェンスと強固なディフェンスで中地区優勝を遂げた川崎。チャンピオンシップでもジャニングの出場は不透明であり、さらにマイケル・ヤングジュニアの欠場も見込まれるため、チーム力が問われる戦いとなりそうだ。特にシーズン終盤で出場時間を勝ち取り、結果を残している納見悠仁や前田悟といった若手選手の奮闘に期待したい。横浜BCは守りを強固にファストブレイクで得点をする割合が高いため、ボールの失い方やトランジションディフェンスが鍵となる。

リーグ1の大躍進で初のチャンピオンシップ出場を達成した横浜BC。チャンピオンシップを経験している選手は多くないが、若い力で川崎を超えていきたい。今シーズンの川崎との対戦は1勝3敗ではあるが、天皇杯予選では勝利しており、相性が悪くはない。だが、敗れた試合ではいずれも序盤からビハインドを背負う展開となっているため、試合の入りは特に注意したい。河村勇輝が最終戦で負傷したのは不安要素ではあるが、チームディフェンスで勝ち星を重ねてきただけに、『全員バスケ』を展開し川崎撃破を成し遂げたい。

琉球ゴールデンキングス(自地区1位-3地区間2位/48勝12敗/西1位)vs名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(ワイルドカード上位/43勝17敗/西3位)

最終戦こそ敗れたものの、シーズン終盤に連勝を続け見事に6シーズン連続で西地区優勝を果たした琉球。最大の強みはリーグ1のディフェンス力だが、今シーズンはオフェンス面でのステップアップも見受けられ、3ポイントシュートが増えた上でフリースローやペイントでの得点割合も高く、バランスの取れたオフェンスを展開している。今シーズン、名古屋Dとは3勝1敗だが、直近の勝利した試合では最終クォーターで29失点と追い上げられているため、40分間を通じた強固なディフェンスを遂行したい。昨シーズン、ファイナルで涙を飲んだリベンジを達成できるか。

ロスターが揃わず試合ができない事態になるほどケガに苦しんだ名古屋D。しかし、少ないロスターでも勝利を重ねるチーム力を発揮した。特に選手個人に依存しないチームディフェンスを遂行し、失点を抑えてきたのは好材料だ。終盤に主力選手が戻りつつあるため、シーズン中の成績以上の実力を発揮することに違いない。琉球の強固なディフェンスをどう攻略するかが鍵となるが、かつて琉球に所属し、代表戦など大舞台に強い須田侑太郎の3ポイントシュートに期待したい。過去3回阻まれているクォーターファイナルの壁を初めて突破できるかに注目だ。