ジョエル・エンビード

後半開始1分でタイムアウト、渇の入ったシクサーズが逆襲

セブンティシクサーズvsネッツのプレーオフ第2戦は後半の失点をわずか35に抑えたシクサーズが96-84で勝利し、シリーズの戦績を2勝0敗とした。

同点で迎えた第2クォーター、序盤からシュートタッチが良好なキャメロン・ジョンソンが得点を量産しネッツが先行する。ジョンソンは長距離砲だけでなく、切れ味鋭いドライブも披露。ジョエル・エンビードの上から豪快なダンクを叩きつけるなど、前半だけで22得点を挙げて、49-44とリードして前半を終えた。

だが、後半に入ると、ホームのシクサーズが牙をむく。スペンサー・ディンウィディーに簡単にベースラインドライブを許し、開始1分でシクサーズはタイムアウトを要求。ここでドック・リバースが渇を入れたことでチームは攻守ともにギアが入った。スムーズなボールムーブからオフェンス優位な状況を作り出し、確実にオープンショットを決めていく。タイムアウト明けからわずか1分20秒間で7-0と走り同点に追いつくと、その後もゲームハイの33得点を挙げたタイリース・マクシーを中心に得点を重ねていく。リムプロテクターとしてジョエル・エンビードが機能し、ディフェンスも向上。24-14のビッグクォーターを作り、逆転して最終クォーターを迎えた。

そして、その後もシクサーズが試合を支配した。エンビードはダブルチームに対して無理に一人で打開せず、パスをさばいてオフェンス優位な状況を次々と作り出し、ゲームハイ(タイ)の7アシストを記録。エンビードを起点に連動したチームオフェンスで確実に加点していった。

一方のネッツはリズムが悪く、オープンの機会を作っても決め切れない悪循環に陥ってしまう。また高さではなく運動量で勝負するスモールラインナップを敷いたが、ローテーションが間に合わず、終盤にはガス欠となり反撃のエネルギーが残されていなかった。こうして常に2、3ポゼッションのリードを保ったシクサーズがホームで2勝目を挙げた。

シクサーズはマクシーがゲームハイの33得点を挙げ、トバイアス・ハリスとエンビードがともに20得点を記録。特にエンビードは自身が攻めることに固執せず、19リバウンド7アシスト3ブロックと献身的なプレーでチームを支えた。

ネッツはジョンソンがチームハイの28得点を挙げたが、後半はわずか6得点と失速。ミケル・ブリッジズが21得点で続いたが8人ローテーションで3人が40分以上のプレータイムとなり、打開策を見い出せなかった。なお、第1戦で自身2度目のプレーオフデビューを飾った渡邊雄太に出番は訪れなかった。