ディフェンスから流れを引き寄せ最終クォーターに逆転

4月9日、横浜ビー・コルセアーズはアウェーで川崎ブレイブサンダースと対戦。中地区優勝を目指すためにも落とせない一戦だったが、77-79と惜敗した。

試合後、青木勇人ヘッドコーチが「最初、川崎に気持ち良くシュートを打たせてしまったことに加えて、オフェンスも悪くなり点差が広がってしまった」と振り返るように、横浜BCは川崎に3ポイントシュートを7本中5本成功と高確率で沈められ遅れを取る。さらに横浜BCは川崎のタフなディフェンスの前にリングへアタックすることができず、外角のタフショットを強いられ、フィールドゴール成功数が14本中3本(3ポイントシュートは5本中0本)と苦しめられた。

しかし、19点ビハインドで迎えた第3クォーターから流れが変わる。スペーシングを重視したオフェンスを展開して、アウトサイドシュートのシュートチャンスを増やし、前半のフィールドゴールアテンプトが1本しかなかったチャールズ・ジャクソンの得点も増えた。

青木ヘッドコーチは言う。「ハーフタイムで、どこで勝負するのか共通認識を持てたのが大きかったです。アーリーオフェンスやジャクソン選手を使うことを確認して、それぞれがいいスペースをとりながらプレーできました。自分たちの狙い通りのシュートが打てればオフェンスリバウンドもしっかり取れる。そこからさらに素早く、力強くプレーできれば状況を打開できるはずだと、みんな分かってくれていたと思います」

また、前半だけで18点を許したニック・ファジーカスに対して、デビン・オリバーやパトリック・アウダはもちろん、ミスマッチとなる須藤昂矢も身体を張ってペイントエリアへの侵入を防ぎ、後半の得点を5点に抑え込んだ。こうした守備の頑張りが実を結び、第3クォーターは28-17、第4クォーターは20-14とどちらも上回り、第4クォーターには一時リードを奪う時間もあった。選手たちが見せた堅守に指揮官も「良いディフェンスからしっかりオフェンスに繋げることができていました。前半は全くストップできずオフェンスもバラバラだったので、この違いは大きかったです」と評価している。

全員がハイパフォーマンスを見せて第4クォーター残り5分に逆転した横浜BCだったが、その後は疲れからか徐々にシュート精度を欠くと、藤井祐眞にダメ押しの3ポイントシュートを沈められ敗れた。

ポイントガード起用に応えたオリバーに指揮官も称賛「ウチに欠かせない選手」

後半からは終始好調だったように見える横浜BCだが、第3クォーターに先発ガードの森井健太が個人4つ目のファウルをコールされるピンチもあった。今シーズンの横浜BCを牽引する河村勇輝とキング開の両ガードがケガで不在の中、森井がベンチに退く危機的状況となったが、その窮地を救ったのが、ゴール下でのパワープレーはもちろん、ビッグマン同士の連携や3ポイントシュートなど多彩なプレーを持つオリバーだ。オリバーはファウルトラブルの森井に代わってハンドラーを務めると、ドライブからの得点はもちろん、安定したボールコントロールからシューター陣へのキックアウトなどゲームメークに尽力し、横浜BCの追い上げを加速させた。

オリバーのポイントガード起用について、青木ヘッドコーチは次のように語る。「河村選手が出られなくなった時からプランとして用意していました。練習できたのは短い時間でしたが、セットプレーやボールをコントロールするオプションを準備し、森井選手がいなくなった時でも、しっかりと落ち着いてプレーできるプランはありました」

練習していたとは言え、これまで実戦での経験が少ないポイントガード起用に見事応えたオリバーは、後半をほぼフル出場し14得点5アシストをマーク。試合全体で24得点10リバウンド6アシストと大車輪の活躍を見せたオリバーは、次のように試合を振り返る。「昨日と今日と悔しい敗戦となってしまいましたが、自分たちのバスケで意地を見せることができました。ファンやブースターの皆さんにも、そう感じ取ってもらえるような戦いができたと思うので、このチームと試合内容を誇りに思います」

そして、奮闘したオリバーについて青木ヘッドコーチはこのように評価した。「オリバー選手はいろいろなことを器用にこなせる選手です。無理にプレーすることなく、自分のリズムでプレーしながら、チームメートの良いところも生かせます。ポイントフォワードのような選手で、今日のように様々なことを遂行できる多様さは素晴らしいです。ウチに欠かせない選手だと思います」

横浜BCは中心選手である河村を欠きながらも、その穴をカバーして川崎と互角に渡り合った。また、オリバーのポイントガード起用という、この先の戦いに向けた新たな選択肢も手に入れ、あとは離脱している選手の復帰を待つのみに。「シーズン終盤に向けてケガ人が戻って来ることは良いことです」とオリバーも、河村とキングの復帰を待ち望んでいる。そして、チームにとって心強い味方である横浜BCのファン、ブースターへ次のメッセージを送った。

「今回の2試合は負けてしまいましたが、踏ん張らないといけない時間にブースターの皆さんの応援が助けになりました。ここから先は、連敗から立て直すための重要な期間になります。残りの10試合とチャンピオンシップを含め、最後までサポートと応援をよろしくお願いします」