ジョシュ・ハート

クイックリー「僕らはずっと、目の前の試合にフォーカスして戦ってきた」

キャバリアーズは東カンファレンス4位、ニックスは5位が決まっており、プレーオフのファーストラウンドで対戦することがすでに確定している。

現地3月31日にはこの両者が対戦し、プレーオフの前哨戦のような雰囲気となった。この時にドノバン・ミッチェルは「すべてが繋がった感じだね。自分の生まれ育った街のチームとプレーオフで対戦する。どんな子供だって夢見ることさ」と語っている。

彼はニューヨークの出身で、ジャズを離れることになった昨夏に移籍先の最有力候補とされたのはニックスだった。結局、ミッチェルはキャブズにトレードされ、若いタレントが揃うチームのエースとして活躍し、リーダーシップも発揮している。

そのミッチェルはプレーオフでニックスと対戦できることを心から喜んでいる。「昨夏のトレードについては、今後もニューヨークに来るたびに話題にされるだろうね。でも僕はキャブズの一員であることがうれしいんだ。それと同時に、プレーオフでニックスと戦えるのが楽しみなんだ。家族や友達が見ている前でプレーオフに出場するのは、すごく特別なことだよ」

ニックス側も、ミッチェルに対する意識は強い。キャブズと対戦する上で、最も注意すべきキーマンであるだけでなく「昨夏に取り逃した」という思いもあるだろう。今シーズンのニックスでエースキラーとして相手のエースをマークする機会の多いクエンティン・グライムズは「プレーオフの前には彼の映像を徹底的に見ることになるだろうね」と言う。

同じくタフなディフェンダーであるジョシュ・ハートも「まずは彼にボールを持たせないことが目標だ。リーグのベストプレーヤーは、こちらがどう守ってもシュートを決めてくるからね。僕が、クエンティンが、という話じゃない。チームとして彼をどう守るかを考えたい」と警戒している。

現時点での予想では47勝のニックスに対して51勝のキャブズが優位とされている。キャブズはほとんどの選手がプレーオフ初出場だが、ロスターのバランスが良く、プレーオフで勝負強さを発揮してきたミッチェルの存在も大きい。対するニックスは2年前にプレーオフを経験しているものの、エースのジュリアス・ランドルを始め主力が完全に精彩を欠いてホークスに一蹴されており、悪い記憶しか残っていない。そのランドルは足首の捻挫でここ4試合を欠場しており、コンディションの懸念もある。

ただ、2年前と違うのは、チームが浮き足立っていないことだ。イマニュエル・クイックリーは「キャブズのことはレギュラーシーズンのすべての試合が終わったら考える。試合前の準備も、ペリカンズとペイサーズに対してのものだよ。僕らはずっと、目の前の試合にフォーカスして戦ってきた。それを変えるつもりはない」と言う。

ジョシュ・ハートも同じで「先を見すぎると、今の良い感覚を失いかねない。そんなことはしたくない」と言う。「プレーオフのことは考えない。それは夏のオフもそうだし、来シーズンもそうだ。先のことを楽しみにするのは好きじゃない。そうすると毎日ただ時間を無為に過ごしているようになってしまう」

現地4月7日には、いまだ熾烈な順位争いを続けるペリカンズに終盤に引き離されて敗れ、連勝は5でストップしたが、チームの雰囲気は悪くない。2日後、レギュラーシーズン最終戦のペイサーズ戦を終えてから、ニックスはプレーオフへと意識を切り替える。