終盤にニュービル、木下がビッグプレーを決め、アウェーで価値ある勝利を挙げる
4月5日、大阪エヴェッサはアウェーで琉球ゴールデンキングスと対戦。34得点を挙げたディージェイ・ニュービル、攻守で光るプレーを見せた木下誠がここ一番で躍動し、89-88の激闘を制した。大阪は2日の川崎ブレイブサンダース戦に続いて、リーグの上位チームから勝利を収めた。
試合の立ち上がり、大阪はガード陣との連携からショーン・オマラが得点を重ねる。マティアス・フィッシャーヘッドコーチが「集中力に加え、ボールムーブが素晴らしく、そこからオープンの選手を見つけることができたのがかなり大きかったです」と語ったようにチームオフェンスが機能し、3ポイントシュートを確率良く決めてリードを奪う。その後、琉球のサイズの強みを生かしたインサイドアタックで追い上げられる場面もあったが、前半終了間際、琉球が犯したミスを見逃さなかった竹内譲次とニュービルが連続で3ポイントシュートを決め、6点リードでハーフタイムを迎える。
後半に入っても大阪は前半の良い流れをキープ。第3クォーター開始3分半にはニュービルの4点プレーも飛び出し、効果的に得点を重ねていくことでリードを2桁に広げる。だが、大阪はここからターンオーバーなどシュートで終われないオフェンスが続いてリズムを崩してしまう。さらに、ジョシュ・ダンカンに3本連続で3ポイントシュートを決められるなど、琉球の長距離砲により逆襲を受け66-70とひっくり返されて第3クォーターを終える。
また、第4クォーターに入るとカール・ハントが欠場する中ゴール下で奮闘していたオマラが残り5分半にファウルアウトと苦境に陥る。だが、大阪はチーム全員が身体を張ったタフなディフェンスを継続しサイズ不足を補うと、木下の連続得点で残り2分半に同点へ。さらに、この勝負どころでニュービルがピック&ロールから、ジャック・クーリーとのスピードのミスマッチを作りだして連続得点を挙げ、守っては木下が、クラッチシューターの岸本隆一を2ポゼッション連続でブロック。攻守でビッグプレーが飛び出した大阪が競り勝った。
大阪のフィッシャーヘッドコーチは、勝利の喜びを語る。「すごくハッピーです。全体的に満足しています。特に第4クォーターは、シンプルに素晴しかったです。オマラがファウルアウトしましたが、全員がまだ勝てると信じていました。琉球のホームで勝つことができたのは大きいです」
「ドライブをされても良いので、シュートを打たせないようにとついていました」
この試合、ニュービルとともに大きなインパクトを与えた木下は、11得点3リバウンド2ブロックを記録した。第4クォーターをフル出場した木下は、残り3分16秒にドライブを決めると、2分半にはプルアップから3ポイントシュートを沈める連続得点でチームを同点に導き、試合の流れを変えた。
木下は「ディージェイがコートに立っている時間が長く、彼を休ませるためにも僕が攻めていく必要がありました」と語り、残り1分を切ってからの連続ブロックについて次のように振り返る。
「映像で岸本さんのプレーを見ていて、終盤になるとステップバックのスリーを打ってくるイメージが強かったです。だから、最後は岸本さんがシュートを打ってくると思っていました。マッチアップをしている時は『ドライブをされても良いからシュートを打たせないように』と考えていました」
そして岸本のシュートを止めることだけに集中したことで、「今日は自分の間合いでつけたと思います。ラッキーだったと思います(笑)」とブロックに繋がったと続けた。
また、日曜日の川崎戦に続いて、リーグの上位チームから勝ち星をつかんだことについて木下は、このように手応えを語る。「誰が出てきても自分の仕事をみんながやろうとしているので、良くなっていると思います」
「僕は自分の仕事をやるので精一杯です」と語るものの、川崎戦でも16得点3リバウンド3アシスト2スティールと勝利の立役者になり、存在感を高めている。今月、大阪は週末の名古屋ダイヤモンドドルフィンズ戦に続き、12日には広島ドラゴンフライズ、15日と16日には島根スサノオマジック、29日と30日には琉球戦と西地区上位との対戦が続く。木下の存在感が高まる大阪は、終盤において西地区の上位戦線をかき回す存在になるだろう。
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