ルカ・ドンチッチ

写真=Getty Images

「彼に何ができるかは分かっていたよ」

19歳の若さでヨーロッパからNBAへ挑戦することを決断したルカ・ドンチッチは、フィジカルに苦しむという周囲の予想を良い意味で裏切っている。その最たる例は、12月8日にホームで行われたロケッツ戦だ。

ドンチッチは、マーベリックスが8点(94-102)を追う展開で迎えた第4クォーター残り約3分から、たった一人で11-0のランを決めてチームを逆転勝利に導いた。今シーズンの新人王レースを引っ張るドンチッチは、スペインの強豪レアル・マドリー史上最年少の16歳でプロデビューを飾った『100年に1人の逸材』で、欧州でのラストシーズンになった2017-18シーズンには、ユーロリーグ初優勝、オール・ユーロリーグ・ファーストチーム選出、史上最年少でのユーロリーグMVP、ファイナル4 MVP、リーガACBのMVPも獲得するなど、タイトルをほぼ総ナメにした。

ロケッツ戦で見られた衝撃のパフォーマンスへの興奮が冷めやらない中、彼と似たキャリアを送るもう一人の天才、リッキー・ルビオが、ドンチッチに最大級の賛辞を送った。

12月9日のスパーズ戦後、ルビオは『MARCA』の取材に応じ、「彼に何ができるかは分かっていたよ。レアル・マドリー時代の彼を見ていたしね。彼が昨シーズンのヨーロッパのベストプレーヤーだったことを理解していない人も多かったみたいだ」と語った。

スペインの天才と呼ばれたルビオは、史上最年少となる14歳11カ月でプロデビューを果たし、2011-12シーズンから活躍の場をNBAに移した。ドンチッチとはポジションが異なるものの、若いうちに欧州からアメリカに渡り、NBAに対応する難しさは誰よりも理解している。そのルビオから見ても、ドンチッチの才能は別格のようだ。

「彼のように若くしてチームのMVPになることは難しい。でも、彼は特別な選手だ。彼にとって過度な期待が生まれるのを避けたいから、あまり言いたくないけれど、彼は非常に厄介な選手だし、史上最高の欧州出身選手になれるよ」

「若いうちにアメリカに来て、周りから期待されてプレーすることの難しさを、僕は理解している。最終的にはバスケットボールをプレーして、楽しみたいものだけど、プレッシャーがあって集中できない時もあるからね。でもルカはとても成熟している。NBAキャリアをスタートさせた時から、素晴らしいリーダーになれる資質が備わっていることを証明している」

同じように10代の頃から注目され、スペインで名を馳せ、そしてNBAにやって来た先輩ルビオからの称賛は、ドンチッチにとって何よりの励みになるに違いない。