ルディ・ゴベア

「プレーオフではデュラント、ステフ、レブロンを見たいだろう」と皮肉

ティンバーウルブズのクリス・フィンチとルディ・ゴベアは高額の罰金を科されることになるだろう。現地3月29日のサンズ戦、世間の注目はケビン・デュラントの復帰に向いていた。デュラントはシーズン途中にネッツからサンズに移籍した時点でケガをしており、それを治して3試合に出場しただけで足首の捻挫で再びの戦線離脱。プレーオフを前にコートに戻って来た彼は、29分のプレーで16得点8リバウンド4アシストを記録し、『試運転』としては上々のパフォーマンスを見せた。

サンズが107-100で勝利した試合後は、デビン・ブッカーやクリス・ポールが笑顔でデュラントの復帰について語っていた。対照的だったのはウルブズだ。この試合、サンズに27本のフリースローが与えられたのに対し、ウルブズには半分以下の12本。サンズのヘッドコーチを務めるモンティ・ウィリアムズは先日のレイカーズ戦で、ジャッジが公正ではなかったと発言して2万ドル(約260万円)の罰金を科された。フィンチはそれを知った上で「抗議が役に立ったようだ」と皮肉を言う。

イリーガルスクリーンを複数回コールされ、試合終盤にファウルトラブルで苦しんだルディ・ゴベアは、厳しい口調で不満をぶちまけた。「僕らの商業的価値は決して大きくない。プレーオフではケビン・デュラントやステフ・カリー、レブロン・ジェームズを見たいだろうね。そこにティンバーウルブズはいない。僕らは謙虚に戦い続けて、その状況を打開しなきゃいけないんだけど、すごくストレスを感じる。公平じゃないのは毎試合のことだからだ」

「僕はこのリーグで10年間プレーしていて、疑わしい判定があっても違うと解釈するようにしてきた。でも、この試合の審判にサンズを勝たせる意図がなかったとは思えない。この間のキングス戦でもウォリアーズ戦でもそうだった。バスケ選手として、あまりにも明白だと感じる。ベストを尽くそうと一生懸命プレーしても、審判に操られてしまう。長年このリーグでプレーしてきたけど、これがまかり通るのは無礼だよ」

ゴベアは感情的になり、思っていたことをそのまま言葉にしたのだろうが、「抗議が役に立った」と言った指揮官フィンチは『計算』を働かせていたように思える。ウルブズから見れば、サンズはレイカーズ戦でモンティが判定について異議を唱えたことで、この試合でジャッジに味方してもらった形となる。それなら罰金を払ってでも、ここでの損害を次のどこかの試合で『回収』したいと思っても不思議ではない。

そしてもう一つ、ラプターズのフレッド・バンブリートは半月ほど前の試合で不利なジャッジに怒り、試合後の会見でその審判を名指しで批判した。彼は今シーズンだけで、その審判から3回テクニカルファウルを受けていた。「権力を振りかざしたいだけの審判が試合を台無しにする」という強い言葉により、バンブリートは罰金を科されたが、数日後にその審判は降格処分を受けた。バンブリートの罰金覚悟の告発は、それ以上の被害を受けないために有効だったということだ。

審判への不信感を堂々と口にすることは、ゲームの根幹を揺るがす行為であり、リーグは厳しく対処するだろう。だが、レギュラーシーズンの大詰め、西カンファレンスは大混戦ということもあり、1勝の価値は極めて大きくなっており、ジャッジで不利を受けたと感じて黙っているのが難しいのも事実だ。