「どれだけペリメーター陣が得点を稼げるか」
川崎ブレイブサンダースは昨日の横浜ビー・コルセアーズとの第2戦に87-75で勝利した。だが第2クォーターに一時逆転を許すなど、横浜のアグレッシブな姿勢に苦戦を強いられた試合でもあった。篠山竜青も「横浜さんのほうが切り替えを早くして走ってきたり、球際の部分であったり、オフェンスリバウンドも取られて前半は特に苦労した」と感じていた。それでも横浜のトーマス・ウィスマンヘッドコーチが試合後、「取り残されてしまった」と語ったように、川崎は第3クォーターに17-0のビッグランを生み出し、勝利を大きく手繰り寄せた。
篠山は速攻のフィニッシャーとなり6得点を挙げ、その時間帯を牽引した。ただ速攻を出すという意識は特になく、ゾーンディフェンスが機能した副産物だと篠山は言う。
「特にペースを上げたりとか、ファストブレイクをたくさん出そうという話はしてないです。ただディフェンスをもっと締めようという話をしました。良いディフェンスができれば足が動いてくるので自然と走れます。結果的にファストブレイクが出たという感じで、その前の良いディフェンスが続いてターンオーバーが誘発できたのがきっかけになりました」
篠山はその後、しっかりゲームメークをしつつ自らも高確率でシュートを決め続け、シーズンハイとなる18得点を記録した。ディフェンス面がピックアップされることが多い篠山だが、昨日の試合ではオフェンス面での貢献が光った。「開幕してからずっとシュートのパーセンテージが上がらず、不調とかスランプとかいろいろな書かれ方してますけど、着々と調子は上げてこれていると思います。良いセレクションで得点を伸ばしていけたらと思いますし、今日に関しては良いきっかけになったのかな」
得点が選手の評価のすべてではないが、それでも篠山は得点にこだわりたいと言う。それは辻直人のケガによる離脱を考えてのことだ。
「辻選手がいなくなって僕と藤井(祐眞)選手でどれだけペリメーター陣が得点を稼げるかというのが大事になってくるので。これは辻選手が腰を負傷したBリーグの1年目の時と一緒で、これをチャンスだと思って得点を伸ばしていきたいです」
『ダービー戦』の真の成功を目指して
トランジションが決め手になり試合に勝利したが、セカンドユニットの時間帯の停滞はいまだ解決していない。篠山も「プレーに迷いがあったり、試合慣れできていないのかなというのは見てとれます。こればっかりはコツコツやっていかないと伸びていかない」と表情を曇らせた。
チームメートと言えど、プロである以上選手はライバル同士であり、プレータイムは自分で勝ちとるという考え方もできる。それでも面倒見の良い篠山は、『自分の責任』と後輩たちをサポートする思いが強い。
「成長させてあげたいと思っていますし、どういう風に声を掛けるべきなのかとか、僕自身も責任を感じている部分でもあります。ノビノビとやってほしいですし、辻がケガをしてそういう意味では彼らにとってチャンスだと思うので、主力が手を差し伸べて引っ張っていきたいです」
篠山の活躍もあり、川崎は『神奈川ダービー』2連勝で終えた。だがここまで約4000人の集客を誇る川崎にて初戦が3798人、第2戦が3803人では、集客としては成功とは言えないのかもしれない。「ヨーロッパサッカーのような熱狂的な盛り上がりというのがダービーという名のつくものだと思います。まだまだそこまでの熱狂を生み出せてはいません」と篠山も言うが、「これからじゃないかなと思うんですよね」と今後の発展に期待を寄せる。
「これからそういったものを作っていくためにもチャレンジしていく必要があります。横浜さんと僕らだけじゃなく、いろんなカテゴリーが神奈川は栄えてますし、そういったものをうまく取り込みながらみんなで作り上げていけたらと思っています」
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