「俺は自分が好かれていないと本当に信じている」
セブンテイシクサーズのジョエル・エンビードは、現地27日に行われたナゲッツ戦に欠場し、ニコラ・ヨキッチとのリーグを代表するビッグマン同士のマッチアップは残念ながら実現しなかった。
この2年間、ヨキッチがMVPを受賞し、エンビードは2位に終わっているが、今シーズンも過去2年と同様にエンビードとヨキッチはレギュラーシーズンMVPにどちらが相応しいかで比較されている。エンビードはここまで61試合に出場しリーグ1位の平均33.3得点、10.2リバウンド、4.2アシスト、1.7ブロックを記録。今回こそ彼がMVPに選出されるべきという声も高まっているが、本人は気にしていない模様だ。
『The Athletic』の取材に対して、エンビードは次のように語っている。「大切なことは何よりも勝つことだ。俺はそれに集中している。そして起こったことを受け入れるだけ。MVPを受賞できたら良い気分だけど、選ばれなくても別に構わない」
MVPはチームを勝利に導いた功績が最も重要視される傾向にあるが、エンビードは「選考基準は変わるもの」と言う。「この3年間、俺は候補に上がっているけど、1年目は出場した試合が足りないってことだった。復活した昨シーズンの俺は十分な試合に出場したけど、ヨキッチはMVPに値する活躍をしていた。ただ、彼は西カンファレンスの第6シードで受賞したんだ。そして今年、俺は得点でリーグトップかつ、守備でもあらゆることをこなしている。オールディフェンシブチームにも選出されるべきだと思っている」
また、MVPといえば当然のように多くの人から支持されないと選ばれないモノだが、エンビードは「これを言うとみんなは、俺がおかしくなっていると思うかもしれないが、俺は自分が好かれていないと本当に信じている」と主張する。
その上で、次のような印象をファンに与えたいと語った。「俺は嫌われ者でいること、かませ犬と見られていることが好きだ。だから今のままでも問題ない。ただ、試合が終わった時、みんなが『誰もオフェンス、ディフェンスの両方で彼を止められなかった。彼はモンスターだった』と言うのを確認したい」
彼の理想とする観客のコメントをこれからも引き出すことができれば、結果としてシクサーズはプレーオフでも勝ち進んでいくだろう。そして、それはエンビードがMVPを受賞することに繋がっていくはずだ。