マシュー・デラベドーバ

写真=Getty Images

2015年のファイナルはキャリアハイライトの一つ

12月7日に成立したキャバリアーズ、バックス、ウィザーズの3チーム間トレードにより、マシュー・デラベドーバの3シーズンぶりのキャブズ復帰が決まった。

デラベドーバにとって、キャブズはNBAで最初のチームだ。2013-14シーズンから3年間所属し、2016年の球団初優勝に貢献している。彼の最大の特徴は、スタッツには表れないハッスルプレーで、キャブズ時代にはカイリー・アービングの控えとしてチームに力を与えるプレーを続けた。主役はあくまでレブロン・ジェームズであり『ビッグ3』だったが、デラベドーバの献身ぶりは多くのファンから支持された。

バックスからのトレードが成立した後、デラベドーバはキャブズ時代のジャージーの画像に「クリーブランド、たくさんの愛をありがとう。 Lets Go!」というメッセージを加えてTwitterに投稿。当時8番のジャージーを着用したデラベドーバだったが、現在はジョーダン・クラークソンの番号になっているため、投稿した画像には白いテープを貼り、その上に数字の1を追加。新たな背番号は18番になるようだ。

バックスでは出場機会に恵まれなかったものの、ヤニス・アデトクンボは、デラベドーバのトレード成立したことを受け、彼がチームの『影のリーダー』だったことを明かしている。「僕が一緒にプレーした中でベストチームメートの一人で、素晴らしいリーダー。彼個人にとってあまり良い方向に進んでいなかった時も、いつだってポジティブだった。いつだってチームメートに声をかけ続けて、闘志を保っていた」

キャブズでは、新人コリン・セクストンの控えを務める予定で、その成長を後押しする役割が期待されている。同じく優勝メンバーであるトリスタン・トンプソンもその復帰を歓迎しており、こうコメントしている。「俺のオージーブラザーが帰ってくるのはうれしいよ。彼はベテランとしてリーダーシップをチームにもたらしてくれる。ここで優勝した一人だし、コリンをプッシュしてくれるだろう。セカンドユニットの一員として試合をコントロールしてくれる。シュートも上手いし、俺にロブパスを出してくれるんだ」

キャブズ時代のハイライトと言えば、レブロン・ジェームズが復帰した1年目の2014-15シーズンのNBAファイナルだろう。その後にウォリアーズと4年続くことになるライバル対決の『ファースト・ラウンド』とも呼べる同年のシリーズは、アービングが第1戦で左ひざを骨折し、第2戦からデラベドーバが先発として起用されるようになった。それまで脇役だったデラベドーバは、第2戦で42分プレーし、マッチアップしたステフィン・カリーをフィールドゴール23本中5本、3ポイントシュート15本中2本の19得点に抑え、95-93での勝利に貢献した。

この試合でデラベドーバ本人は9得点に終わったが、守備ではファイトオーバーし続け、ルーズボールに飛び込み、果敢にリバウンドを奪いに行く姿勢はチーム内外から称賛された。トンプソンによれば、この試合後、デラベドーバは静脈注射が必要なほど疲労困憊だったという。

レブロンが退団して迎えた今シーズン、キャブズは残ったメンバーでのプレーオフ進出を当初の目標としたが、開幕から思うように進まず、すぐに方針を若返りに転換した。今後の球団の顔として期待されるセクストンにとっても、デラベドーバの支えは大きいだろう。そして、ファンに愛されている選手の帰還に、クリーブランドのテンションも上がるに違いない。

みんなのデリーが、クリーブランドに帰ってくる。