カリーへの敬意は忘れず「ステフのことを兄のように思っている」
ホークスは現地3月17日にウォリアーズと対戦し、終盤に詰め寄られながらも何とか逃げ切り、127-119で勝利。35勝35敗と勝率を5割に戻した。
ほとんどの時間帯でホークスがリードする展開ではあったが、104-96で迎えた第4クォーター、アンソニー・ラムのハッスルからウォリアーズに勢いが生まれ、ステフィン・カリーの3ポイントシュート連発で一気に1ポゼッションへと点差が詰まった。ただ、ここでホークスも崩れずにディフェンスで耐え、残り2分で1点差とされるもリードを明け渡さなかった。
勝負を決めたのは残り48秒、ウォリアーズのオフェンスの場面。ドンテ・ディビンチェンゾとのパス交換でスイッチを促したカリーが、トレイ・ヤングを狙って仕掛ける。ヤングは非凡な得点能力を持つホークスのエースだが、守備には難があると評価されている。そこをカリーは突いて、時計をあまり進めることなく得点を狙った。
しかし、ここでヤングはカリーの進路に身体を入れてドリブルを許さず、スピンムーブでかわしにかかったところを後ろから手を伸ばしてボールを突っつく。そのまま走るヤングに向けて、こぼれ球を拾ったデジャンテ・マレーがパスを送るイージーな速攻が生まれ、勝敗は決した。
試合後のヤングはこのシーンを振り返り、「今のNBAではピック&ロールでスイッチを促して攻めるのが当たり前になっている。カリーはミスマッチを作って突いてくるのは予想できたし、僕は完璧にそれに合わせられた。そしてスピンムーブを背後から狙って、試合を決めたんだ」と語る。
ギャンブルとも取れるイチかバチかのスティールにも見えるが、ヤングによれば「狙っていた」プレーで、カリーがボールを持った瞬間に寄せて3ポイントシュートを打たせず、ドライブを一度止めたところまで含めて完璧な一連の流れだった。
ヤングはもちろんオフェンスでも結果を出し、25得点12アシストを記録。しばしば傲岸不遜な物言いをするタイプだが、この日は勝ってなお謙虚な姿勢を崩さず、対戦相手のカリーを称えた。
「NBAに来る前から、僕はステフのことを兄のように思っているんだ。僕のような選手がNBAで活躍するための青写真を作ってくれたのは彼だ。彼がいつもアドバイスをくれることに感謝している」
ホークスは現在東カンファレンスの8位で、レギュラーシーズンは残り12試合となる。プレーオフのストレートインとなる6位ネッツまでは4ゲーム差あり、巻き返しはかなり難しそうだ。プレーイン・トーナメントは順位が1つでも上なら有利で、最後まで気の抜けない戦いが続く。
ヤングはシーズン終盤戦を、このような意識で戦うと語る。「個人的には順位よりも向上し続けることに集中したい。もちろん順位も大事だけど、自分たちのやるべきことを1試合、またその次の1試合でやれているかが大事だと思う。自分たちにフォーカスして終盤戦を戦うつもりだ」