ケスラー・エドワーズ

ケスラー・エドワーズがネッツに恩返し「ずっとこの試合を目標にしてきた」

混戦の西カンファレンスで旋風を巻き起こしているキングスは、現地3月16日のネッツ戦に101-96で勝利してプレーオフ進出を決めた。2005-06シーズン以来、16シーズンもプレーオフと縁のなかったキングスにとっては歴史的快挙だ。

キングスはオフェンスのチームで、今シーズンここまで100ポゼッションあたり119.4得点を記録。これはリーグの集計が始まった1996-97シーズン以来で最高の数字だ。サクラメントのファンに今シーズンのMVPを議論させれば、ニコラ・ヨキッチかジョエル・エンビードではなく、ディアロン・フォックスとドマンタス・サボニスのどちらかが相応しいかで頭を悩ませることになる。

しかし、ネッツ戦は前日のシカゴでの試合に続くバック・トゥ・バックの2試合目で、試合後に移動してホテルに到着したのは27時半。さすがに選手は疲労困憊で、ネッツ戦は今シーズン最も少ない101得点、フィールドゴール成功率は39.0%しかなかった。それでも勝てたのは、このチームはオフェンスだけでなく、ヘッドコーチのマイク・ブラウンが丁寧に植え付けたディフェンスでも勝ち筋を見いだせるからだ。

フォックスがフィールドゴール16本中5本成功の18得点と不発に終わったが、サボニスは24得点を挙げ、21リバウンド4ブロックとディフェンスで存在感を発揮。そして、ハムストリングを痛めたケビン・ハーターが第1クォーター途中で下がった穴をケスラー・エドワーズが埋めた。

2021年のNBAドラフトで2巡目指名を受けてネッツに加入したエドワーズは、今シーズンのトレードデッドラインでキングスにトレードされた。運動能力を生かしてディフェンスで貢献し、3ポイントシュート2本成功を含む10得点を記録。指揮官ブラウンはエドワーズの勢いを買い、ラスト5分をキーガン・マレーに代わって彼に託している。

「トレードされてからずっとこの試合を目標にしてきた。そこで活躍して、勝つことができたんだから、これまでのキャリアの中で一番楽しい試合だった」とエドワーズは『古巣への恩返し』を喜ぶ。

ついにプレーオフ進出を成し遂げたが、マイク・ブラウンは昨年夏の就任以来、プレーオフ進出を大きな目標だとは言ってこなかった。今回も「これは我々のファンにとって大きな意味がある。サクラメントには誇り高いファンがいるが、全国的にも、またカリフォルニア州の中だけでも、あまり敬意を払われることがない。今回、彼らが胸を張って歩き、キングスのことを友人に自慢できるのだとしたら素晴らしい」と語る。

支えてくれるファンのためにはプレーオフ進出を祝うが、自分たちの目標はまだまだ先にある、という姿勢を指揮官は崩さない。「42勝を追い求めていたわけじゃない。我々はただ正しい方法でプレーしながら、できる限り多くのものを追い求めたい」と話す。

「就任初日から選手たちには『NBAで勝つとはどういうことか』を話してきた。彼らはそれをよく聞き、私の情熱も理解してくれた。みんな私を信じ、お互いを信じている。それは言葉ではなく、様々な状況でチームとして証明してきた。信じ合うことができれば、我々はどこに対しても危険な存在になれる。それが今のキングスなんだ」

そんな考えを理解する選手の一人として、フォックスはこう言った。「僕らはもっと大きなことをやるつもりだよ」

https://youtu.be/wBnmS8Wqils