堅守が持ち味のジャクソンJr.とカルーソ、若手シューターのベインが代表候補に
ウォリアーズのスティーブ・カーは、スパーズのグレッグ・ポポビッチの後任として今夏に開催されるワールドカップ2023からアメリカ代表のヘッドコーチを務める。新たに代表チームのディレクターに就任したグラント・ヒルを中心にチーム作りは進行中だが、その中でカーは複数の選手に代表入りを打診している模様だ。
『The Athletic』は、カーがグリズリーズのジャレン・ジャクソンJr.とデズモンド・ベイン、ブルズのアレックス・カルーソとワールドカップ出場についての話し合いを行なったと報じている。
中国で開催された前回のワールドカップにおいて、アメリカはベスト8でフランスに79-89で敗れて大会7位と惨敗した。この大きな要因となったのは、特にインサイド陣のタレント不足にあり、当時のメンバーでビッグマンだったのは、マイルズ・ターナー、ブルック・ロペス、メイソン・プラムリーと小粒だった。その結果、フランス戦では相手のルディ・ゴベアに21得点と、7つのオフェンスリバウンドを含む16リバウンド3ブロックと攻守に渡ってゴール下を支配された。
それだけに昨シーズンのブロック王で、今シーズンもここまで平均3.1ブロックを挙げるなど最優秀守備選手賞(DPOY)の最右翼とも評されるジャクソンJr.が加入すれば、ゴール下のディフェンス強化に繋がるだろう。また、カルーソはペリメーターの守備でリーグ有数の評価を得ているガードだ。この2人が加入すれば、アメリカ代表の守備の強度は大きく高まる。そして、ベインは今シーズンここまで平均21.1得点、3ポイントシュート成功率40.7%と高確率で沈め、NBAを代表する若手シューターの地位を確立している。
近年のアメリカ代表を見ると、ワールドカップはこれまでフル代表の経験がない若手選手の国際経験を積ませる場となっている側面も強い。今回の3人はこの条件にも合致しており、本人たちが了承すればこのまま代表入りは濃厚だろう。
ちなみにカーは、ウォリアーズのホームゲームに対戦相手が来た際、有力選手たちとアメリカ代表についてのミーティングの許可を他のNBAコーチに求めている模様だ。現在、ウォリアーズは西カンファレンスでプレーイン・トーナメントに参加せず、プレーオフにストレートインできる6位にいる。しかし、7位以下と1勝差と、少しでも気を抜くと一気にプレーオフ圏外まで転落する気の抜けない状況だ。その中で指揮官は、ワールドカップに向けた準備もしなければならない過酷な職務を担っている。