「自分の行動に責任を取りたい。あれは間違った行為だった」
グリズリーズのエース、ジャ・モラントは銃に絡んだ問題を起こしてチームを離れている。リーグから8試合の出場停止処分を受けている彼が現地3月15日に『ESPN』の取材に応じて心境を語った。
「自分たちの過ちであのような状況に自分自身を置いてしまった。今はより賢くなり、より責任を負うようにしたいと考えている。これまで僕は、自分たちのどこに問題があるのか分かっていなかった。でも今、一人でじっくり考える時間を持ったことで、ようやくそれが実感できたように思う。自分が、そしてチームが何を失うのかを理解した。賢くなり、責任感を持って、悪い決断をしないようにする」
自らSNSで配信した、ナゲッツ戦を終えた日の夜のナイトクラブで所持していた拳銃はモラントのものではないそうだが、「でも、僕は自分の行動に責任を取りたい。あれは間違った行為だった。最近の失敗で自分のイメージがどうなっているのかは分かっている。今後は僕の本当の姿をみんなに見せて、イメージを変えていくつもりだ」と言う。
チームを離れた彼はフロリダでカウンセリングプログラムを受け、ストレスへの対処法を学んだ。「今は精神的にすごく落ち着いている」とモラントは言う。「NBAに来てからの何年かでなかったような快適なところにいて、前向きにストレスと向き合う方法を学んだ」
モラントに代わって先発ポイントガードを務めているタイアス・ジョーンズは、この問題について率直な意見を語っている。「モラントは年々注目されるようになり、リーグの顔の一人になっていく。コート内外で背負う責任も大きくなっていく。時には成長のための痛みも味わうけど、常に成長しなきゃいけない立場なんだ。この数週間に出てきた記事はすべてチェックしている。誰もそんなものは見たくないし、楽しく読んでいるわけじゃない。僕らはジャが良いヤツだと分かっている。悪意があっての行為じゃないんだ」
モラントはいつしか悪い取り巻くを連れて歩くようになった。モラントの父親が『スーパースターの父親』ぶって悪い形で各地の会場に姿を見せるのも、モラントに良くない影響を与えているのかもしれない。『The Athletic』はモラントの最初の変化を、初選出された昨年のNBAオールスターだと推測している。家族とともにNBAオールスターの開催地であるクリーブランドに向かうプライベートジェットで酒を飲み、ボトルを銃に見立ててカメラに向けるシーンをモラントはSNSで配信していた。
昨年オフにモラントは5年1億9400万ドル(約250億円)の大型契約をグリズリーズと結んだ。この時期からピックアップゲームに参加した少年を殴ったりと問題行動が立て続けに起きるようになった。巨額の富を得るのと引き換えに、プレッシャーもまた大きくなる。それに向き合うのは、モラントに限らず簡単ではないのだろう。
ただ、彼は自らの過ちから学ぶことで新たな成長への一歩を踏み出した。わずかな期間の謹慎とカウンセリングですべてを乗り越えられるとは限らないが、『ESPN』の取材をモラントは前向きな言葉で締めている。
「今はコートに戻るのが待ちきれないよ。自分の過ちを考えると、僕は罰を受けるに値すると思う。だけど、コートに戻る時にはちゃんとした状態で、良いプレーを見せるつもりだ」