ライアン・ケリー

約1カ月ぶりの出場となったライアン・ケリーはゲームハイの23得点を記録

3月11日、新型コロナウイルス感染症の陽性判定に伴い中止された第12節のサンロッカーズ渋谷vs群馬クレインサンダーズの第1戦が行われた。第3クォーターまで1桁点差が続く接戦となったが、SR渋谷がベンドラメ礼生と約1カ月ぶりの復帰戦となったライアン・ケリーの得点で群馬を突き放し、91-82で勝利。バイウィーク前から続く連勝を5に伸ばした。

第1クォーターのSR渋谷は、出だしこそ群馬のファストブレイクに手を焼き6-12と差を付けられるも、途中出場ながらこのクォーターだけで3アシストを記録した渡辺竜之佑を起点に対抗。第1クォーター残り30秒に西野曜が見せたボースハンドダンクをきっかけに、ジェームズ・マイケル・マカドゥら外国籍選手が連続得点し、第2クォーター開始2分半に12-0のランに成功する。

リバウンドからSR渋谷にリードを奪われた群馬は、残り6分に、セカンドチャンスから並里成のオープンスリーが決まって4点差まで迫る。また、クォーター終盤には、並里のピック&ロールを起点にアキ・チェンバースのコーナースリーが決まるなど、持ち味である速攻やボールが良く回ったオフェンスを連発し、良い流れのまま第2クォーターを終えた。

第3クォーター、1点リードのSR渋谷はマカドゥがセカンドチャンスポイントを決めて点差を広げる。また、第2クォーターに勢いづかせた群馬のトランジションオフェンスに対し、素早いマッチアップでイージーシュートを許さない。トレイ・ジョーンズをマークしていた津屋一球が開始4分弱で個人4つ目のファウルをコールされるトラブルがあったが、このクォーターだけで9得点を挙げたケリーの個人技で粘り、6点をリードして最終クォーターへ突入した。

第4クォーターに入ると、ベンドラメが鋭いドライブからコーナーで待つ関野剛平へキックアウトパスを送り3ポイントシュートをアシストするなど、理想的なボールムーブからSR渋谷の得点を演出。残り6分には、ベンドラメがディフェンスを背負いながらタフなレイアップを沈めてバスケット・カウントに成功する。また、このクォーターだけでセカンドチャンスポイントで10得点を稼いだように、ビッグマンを中心にオフェンスリバウンドから得点を重ね、オフィシャルタイムアウト時に14点のリードを奪う。その後は、SR渋谷が時間を使ったオフェンスで群馬の反撃を阻止し、9点差で勝利した。

持ち味であるファストブレイクを要所で見せながらも、相手の背中をとらえきることができなかった群馬の水野宏太ヘッドコーチは、次のように試合を振り返った。「前半は我慢しながら戦うことができていましたが、後半はビハインドを背負っていたことや、ファウルのことを考えてしまい、冷静にプレーができていませんでした。何ポゼッションも苦しいシュートを(SR渋谷に)打たせることができていましたが、オフェンスリバウンドを取られてしまい、そこから確率良く得点を決められてしまいました」

勝利したSR渋谷の浜中謙ヘッドコーチは「連勝中ということを考えず、目標であるCS出場に向けて一試合一試合を大切に戦う姿勢を持ってチームが一丸になって戦うことができました」と、選手たちのメンタルを強調した。そして、復帰戦ながらゲームハイの23得点を挙げたケリーについて、次のように続けた。「コート上での精神的な大黒柱でもありますし、競争心をチームに与えてくれる存在です。チームのために奮起してくれて、終わってみれば23得点でしたね。効率的なシュートを狙うなど、彼の素晴らしさが見えた試合になりました」