パウ・ガソル

刺激を受けたアンソニー・デイビス「いつか僕も」

レイカーズはパウ・ガソルの『16』を永久欠番とし、そのセレモニーを現地3月7日に行った。スペイン生まれのガソルはバルセロナでプロデビューし、2001年にグリズリーズの一員としてNBAに参戦。2007-08シーズン途中にレイカーズに加わり、2014年までプレーする間に2度のNBA優勝を勝ち取っている。

ウィルト・チェンバレンやカリーム・アブドゥル・ジャバー、マジック・ジョンソン、シャキール・オニール、そしてガソルの親友であるコービー・ブライアント。ここに12人目、13番目の永久欠番としてガソルの『16』が加わった。アリーナに飾られる場所は『8』と『24』が永久欠番となっているコービーの隣だ。

「人生はあっという間だ。友達と学校でバスケをしていたはずが、気が付けば夢が叶っている」とガソルはセレモニーで語る。「それでも今夜の出来事は自分の夢を超える出来事だ。コービーの番号と並ぶことで、その意味はより力を持ち、喜怒哀楽のいろんな感情を伴うことになった」

ガソルとコービーの公私に渡る友情はよく知られている。このセレモニーでは生前のコービーがガソルを語ったメッセージが流された。「パウが引退したら、その背番号は僕の隣に飾られる。彼抜きでは優勝を勝ち取ることはできなかった。誰もがそれを分かっているんだから、議論の余地はない。彼がセンターコートで、長年彼を支えてきたファンの前でスピーチする日が楽しみだ。素晴らしい夜になるだろう──」

これに対してガソルは「僕をより良いプレーヤーへと高め、挑戦させ、鼓舞してくれた兄だった」とコービーへの親愛の情を語る。しかし、そこにコービーはいない。アリーナのファンがコービーの名を呼ぶ中、ガソルは「彼が恋しい。みんながそうであるように、コービーがジジと一緒にここにいてくれたらと思う」とメッセージを送った。

コービーだけでなく、多くの元チームメートやコーチがガソルの活躍を称えるメッセージを送った。ガソルは言う。「殿堂入りした偉大な選手たちと僕を比較することはできない。ただただ彼らを尊敬し、自分が名を連ねることを名誉に思う。僕はこれからも、他の人に良い影響を与えて変化をもたらし、サポートすることに人生を捧げる。この世界をより良い場所にするために」

レイカーズの偉大なビッグマンの系譜を目の当たりにして大きな刺激を受けたのがアンソニー・デイビスだ。レブロン・ジェームズが戦線離脱中のレイカーズを引っ張る彼は、このグリズリーズ戦でも30得点22リバウンドでチームを112-103の勝利へと導いた。

デイビスは言う。「レイカーズで活躍して一時代を築いたビッグマンの系譜について考えないわけにはいかなかった。いつか僕もそのグループに入りたい。いずれ引退した後にここに戻って来て、今日のようなセレモニーができればと願うよ」

このところ6勝2敗と好調のレイカーズは順位を9位へと上げ、プレーイン・トーナメント圏内に入った。デイビスはもちろん「ここで止まりたくはない」と話す。「まだまだ貪欲に戦って、できる限り順位を上げるつもりだ。目標はプレーインではなくトップ6だ。調子を上げてこの目標に挑戦できるのは良い気分だよ」

ガソルの永久欠番セレモニーは、レイカーズの勝利で完璧なものとなった。この刺激が一夜限りのものではなく、シーズンの最後まで続くことをファンは願っている。